イベントレポート

タイ事業再編セミナー【事後レポート】

激変する事業環境企業の進むべき道とは

新型コロナウイルスによって世界が大きく変化する中、企業はどのように状況を打開すれば良いのか。MUFGグループ傘下のシンクタンク、三菱UFJリサーチ&コンサルティング主催のタイ事業再編セミナーが9月30日にオンラインで行われ、タイにおける投資動向や今後の日系企業の方向性などが論じられた。

タイにおける投資の方向性 タイ拠点の機能見直しも

冒頭、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(タイランド)の池上一希MDが「過渡期のタイ事業と日本企業の動向」と題して講演。バンコク日本人商工会議所の会員数が近年微増にとどまり、今年はマイナスに転じたことに触れ、踊り場に来ている可能性があることを指摘した。

タイにおける投資の方向性として、「EEC(東部経済回廊)」や「タイランド4.0」など産業高度化を目指す政府の政策に沿った投資、人件費上昇を踏まえた競争力確保のための自動化への投資、内製率向上によるコストダウンの3点を述べた。

そして、タイ拠点の統括機能見直しや強化、もしくは発展的な再編、撤退も増えると見通した。

中国企業の多様な進出動向 備え・守り・攻めの施策が重要

続いて、企業の事業用不動産の取得支援を行い、これまでに90万㎡以上の取引実績を有するGDM(THAILAND)の高尾博紀社長が、「タイ不動産動向から見る縮小と撤退事例」をテーマに講演。「これまでは日系企業がほとんどだったが、この2、3年で中国、台湾企業の問い合わせが増えている」とトレンドの変化を話し、実際に問い合わせがあった中国、台湾企業の業種、特徴などを紹介。

中国企業については「幅広い業種が進出を考えている。また、工場建設の時間すら惜しみ、すぐにでも操業したいと思っている」など現場の実感を語った。今後のさらなる競争激化を見越して、企業は備え・守り・攻めを意識した取り組みが重要とし、備えの一つとして自社の資産価値の把握などを訴えた。

 

中古工作機械の仕入れ、販売などを行っているU-MACHINE(THAILAND)の川合広行社長は加工内容の変更で遊休化した機械や事業の一部縮小、タイからの撤退に伴う過去の取引事例などを紹介した。講演終了後は、参加者からの質疑応答も行われた。

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