PRを熟知したプロ3人が、タイでのブランディングのコツをお話します。
最後にPRを活用した具体例について、Vector Group Ltd.のPam氏に伺った。
最近のPRトレンドは?
タイ国内で効果的なPR施策として、大きく分けて3つ、①プレスカンファレンス、②オフラインイベント、③SNSを活用した情報拡散施策が挙げられます。
①プレスカンファレンスは従来からある一般的な手法ではありますが、メディアを一堂に集め、効率良く情報を広めてもらえるという点で、業種を問わず、クライアントからのニーズが高い施策です。
また、②オフラインイベントも人気のPR施策の一つです。①プレスカンファレンスもオフラインイベントの一つですが、ホテル等の会場にメディアだけを集めてクローズドの形で開催することが多い①に対し、②はショッピングモール等イベントスペースで行う公開型のイベント全般を指します。私もいち消費者として感じますが、自分がその場で見て、聞いて、何か特別な体験をすると知人・友人に共有したくなるものです。これだけ沢山の情報がインターネット上にあふれているのにも関わらず、リアルな場でのリアルな体験というものが何よりも心を動かします。昨今はテクノロジーの進化により、バーチャルな世界でユニークな体験ができる機会も増えていますが、それでも自然と人に伝えたくなるような感動体験を起こせるのはオフラインイベントの場だと考えています。
以前、在タイ日系企業様より、日焼け止め化粧品の新製品発表会についてご相談を頂いた際、プレスカンファレンスの実施は決まっていたのですが、それとは別で話題化できるような施策はないかということで、インフルエンサーの公開トークショーを提案させていただきました。ターゲットが若い女性ということもあり、口コミが発生しやすい、リアルな場を提供すること。さらにインフルエンサーを起用することで、情報波及のパワーを最大化させることをポイントに置きました。
実際の公開トークショーではインフルエンサーが普段、自身のSNSやメディアで発信している、いわゆる〝優等生的なコメント〟以外の〝本音〟を話したことが会場に居合わせたライブ体験者の間で話題となり、その体験者らが自らのSNSを通じて情報を拡散。狙い通りの現象が起き、新製品の認知拡大に大きく貢献できたことがありました。
こうしたオフラインイベントで発生した口コミがが情報波及の大きなエネルギーとなった現場は何度もみてきましたが、特にSNS利用率の高いタイにおいては、非常に有効な施策の一つであると認識しています。
③SNSを活用した情報拡散
施策のポイントは?
動画をもっともっと活用していくことがポイントになると考えています。言わずもがな、動画とはSNS向け、もっと言うとスマートフォン向けの動画コンテンツです。これだけの情報過多の時代に、限られた時間で効率的に情報を届けたいと思ったら、テキストと写真に比べて圧倒的に情報量が多い動画を活用しない手はありません。昨今は動画の制作費用も相当抑えることができるので、「活用」から「多用」の時代になっていると感じます。
直近の事例ですが、あるドリンクメーカーが新製品を発売するにあたり、Facebook上でPR動画を公開したところ、瞬く間に10万回再生を記録し、認知拡大と実際の販売数向上に貢献しました。また、某有名大学も生徒募集のPR動画を制作するなど、利用される業種やシーンは多岐にわたってきています。
PRって面白そう、PR動画を作ってみよう、と思われた方はぜひご相談ください。貴社の魅力を最大限に引き出します。