投資エコシステム、政府高官がタイの優位性を強調

タイ政府は1月16日、バンコク市内のタイ外国人記者クラブで記者会見「Thailand`s Investment Ecosystem Update」を行い、国内の投資環境などを説明した。タイ投資委員会(BOI)のドゥアンチャイ事務局長によると、昨年の投資奨励申請額は7,561億バーツで目標をわずかに上回った。うち、59%が、12の重点産業の誘致を図る東部経済回廊(チャチュンサオ、チョンブリ、ラヨン3県)に集中した。

米国との貿易戦争や国内の賃金上昇などを背景に、中国企業によるタイ向け投資申請額は昨年、2,620億バーツと、全体の3割強を占め、初めて日本(731億バーツ)を上回った。

ドゥアンチャイ事務局長は、「(ベトナムなど)近隣国との競争は激しくなっているが、自然災害に無縁、恵まれた地理的な条件、成熟したインフラやサプライチェーンなどが強み」とタイは今後2年間で最も魅力的な投資先になると強調した。

コブサック首相付き副事務局長は、18年に突入した景気の下降傾向は今後1年~1年半続くと予測。輸出などに悪影響に及ぼしているが、タイから中国に移転していた外国企業がタイに回帰しつつあると説明。国内の鉄道・港湾などのインフラ構築計画は順調に進んでおり、特に鉄道の拠点となるバンコクのバンス―とマッカサンが有望と期待を示した。

一方、入国管理局が長期滞在の外国人に提出を義務づける居住地届け出「90日レポート」と「TM30」について、前者にはQRコードを利用したシステムの構築、後者には外国人に不便を与えない方策を4月までに導入すると述べた。

商務省貿易政策・戦略オフィスのピムチャノック統括官は、不振が続く輸出について、「果物と野菜、海産物、自動車部品、化粧品などの海外需要は高い。特に中国でのドリアン人気には驚く。今後はユニークな農産物と(大気汚染など対策の)環境関連製品に力を入れる必要がある」と提案した。日本が主導する包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTTP)には参加の方向で進んでいるが、「いつになるかはわからない」と即答した。

 

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