2020年のアジア経済 有識者らがフォーラムで占う

 

英字紙などを発行するバンコクポストグループは11月21日、バンコク市内で来年のアジア経済の動向を占うフォーラム「ASIA 2000 Trade Wars, RCEP and Economic Trends」を開催した。長引く米中貿易摩擦やインドの東アジア地域包括的経済連携(RCEP)不参加表明など、不透明な先行きを有識者らが占った。

タイの元副首相で世界貿易機構(WTO)及び国連貿易開発会議(UNCTAD)の事務局長を歴任したスパチャイ氏は、基調演説で第二次世界大戦後に発足されたWTO(前身は1948年に発効した関税と貿易に関する一般協定、GATT)の枠組みが以前のように機能していないと警鐘を鳴らした。

米中の覇権争いやインドのRCEP離脱などが保護主義に拍車をかけており、アジア経済の先行きは不透明と悲観的な見方を示した。また、エネルギー・水不足、所得格差の拡大、乏しいデジタル技術人材などを懸念材料として挙げた。

パネルディスカッションには、タイの商業省貿易交渉局のアラモン局長、中国の通信大手ファーウェイ、中国工商銀行、インド財閥のタタの代表者ほか、日本の経済産業省通商政策局の田村暁彦 通商交渉官と日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所の竹谷厚所長が参加。米中貿易摩擦が与えるASEANと日本への影響、メコン流域国で活発化する越境貿易、製造業のサービス化、迫り来る高齢化社会などについて議論した。

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