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タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌アレイズ

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中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

タイ経済の現在そして今後の見通しができる情報は?

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      Q:タイ経済の現在そして今後の見通しができる情報など何かないでしょうか。

      A:2021年が明けた今、一部報道では2月からタイ国内でもワクチン接種が始まるようですが、新型コロナウイルスの影響は収束する気配がありません。では識者は現在のタイ経済の状況、そして今後の動向をどのように見ているのでしょうか。

      今回は、公表されている情報から分かることを4つ紹介してみたいと思います。

      ① タイ経済の落ち込みは 近隣諸国と比べても顕著

      タイの20年の実質GDP成長率見通しは前年比6.5%減であり、ベトナム(2.0%増)、ミャンマー(1.7%増)、ラオス(0・6%減)、カンボジア(2.0減)といった近隣諸国と比しても大きいマイナス値となっています。

      タイ経済の落ち込みが大きくなった原因としては、国内政策の不確実性及び観光産業に依存する産業構造が挙げられています(※1)。

      ② コロナ前の水準にタイの経済が回復するのは22年

      再度の新型コロナウイルスの感染拡大や、有効なワクチンの供給が遅延しない限り、22年内にはコロナ前の水準まで経済が回復する見込みとされています(※2)。

      ③ コロナ前の水準にタイの輸出が回復するのは22年

      タイからの輸出はアメリカ・中国・EU・日本に対して特に活発であり、これらの市場の回復につれて輸出も立ち直ると考えられています。

      20年の輸出は8%減となった一方、21年は4%~5%増となることが見込まれ、結果としてコロナ前の水準に戻るのは22年であろうとされています(※2)。

      ④ タイの消費者は経済的見通しに悲観的ではない

      カシコンリサーチセンターが算出している、生活を維持することに対する消費者の自信の度合を示す経済情勢指数が、20年11月の段階でコロナ前(20年1月)の水準まで回復したそうです。

      また、20年11月の段階での向こう3ヵ月の同指数見込みも20年11月の値より良くなると見込まれており、将来についてもそう悲観しているわけではない、とされています(※3)。

      いかがでしょうか。タイの新型コロナウイルスによる経済的ダメージは大きく、コロナ前の経済状況に戻るためには22年まで掛かる、という決して楽観的にはなれない状況である一方、タイの消費者はそう悲観的でもなさそうというのが何とも大らかな感じがします。我々も少しこのおおらかさを学ぶべきなのかもしれませんね。それではまた来月号にてお会いしましょう。


      ※1 世界銀行「Global Economic Prospects」(2021年1月)
      ※2 TDRI「Thailand’s economic outlook for 2021」(2020年12月)
      ※3 Kasikorn Research Center「November KR-ECI Bounced Back to Near Pre-COVID-19 Levels」(2020年12月)

      寄稿者プロフィール
      • 倉地 準之輔 プロフィール写真
      • 倉地 準之輔

        日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

      「こんな状況だからこそ、色々相談したい!」と思ったらBizWingsにどうぞ。

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      第13回 中小企業社長兼経営コンサルによる現場発経営論

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