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時事通信 特派員リポート

【香港】ワクチン接種低迷、奨励策過熱= 億ションや高額ギフト券(香港支局 光永 貴子)

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    香港で新型コロナウイルスワクチンの接種率が伸び悩んでいる。市民の接種意欲向上を図り、政財界を挙げての奨励策が過熱。企業や団体からは、新築マンションや高級車を景品とした接種者向けの抽選計画が続々と発表されている。

    「半年以内に接種」は25%

    香港では2月下旬にワクチンの一般供給が始まった。中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製か、中国復星医薬と独ビオンテックの共同開発による「復必泰」、いずれかを選べる。

    ワクチン提供開始から100日以上が過ぎたが、接種を受けた市民は人口750万人の約2割。政府が集団免疫獲得へ向けて目標とする7割に遠く及ばない。

    接種後の死亡事例などが頻繁に報じられ、市民の警戒心が高まったことが主な要因だ。政府当局は因果関係を否定しているが、疑念解消には至っていない。

    香港中文大医学院が4~5月、約1200人を対象に行った調査によると、「半年以内に接種を受ける」と答えたのはわずか25%。6割が「受けないつもり」と回答した。

    焦りを募らせる香港政府は、企業向けの出張接種や各種の規制緩和を掲げたものの、市民を動かす決定打としては弱く、経済界に協力を求めた。接種者に特別手当や有給休暇を与えるといった対応は既に珍しくなく、政府の呼び掛けに応じた大企業は、競うように豪華賞品が当たる抽選を講じ始めた。

    「海外行けるなら…」

    最初に話題を呼んだのは、5月末に不動産大手が打ち出した抽選だ。ワクチン接種が参加条件で、大賞には1080万香港ドル(約1億5000万円)相当の新築マンションを贈呈するという。住宅価格が高騰し、一般市民の持ち家獲得が困難を極める香港では、夢のような景品だ。

    複合企業大手の長江和記実業は、グループが扱う不動産購入も可能な500万香港ドルのギフト券が当たる抽選を考案。豪グッドマン・グループはテスラ車を、シャングリ・ラホテルズ&リゾーツは、世界100ヵ所の系列ホテルで使える1年間の無料宿泊券を賞品に掲げた。

    目立った抽選計画が相次ぎ報じられたことで接種予約は増加傾向となったものの、本格的な底上げにつながるかどうかは不透明だ。

    1回目の接種を受けたという30代の会社員女性は、当初ワクチンに懐疑的だった。最近になり、復必泰が日本で承認されている米ファイザー製と同じものだと知り接種に踏み切った。女性は「日本旅行ができるようになる日に備えて決断した」「ワクチンパスポートができて海外に行けるようになったら、さらに多くの人が打つかもしれない」と指摘した。

    中国本土や海外との行き来は1年半もの間途絶えており、小売りや飲食をはじめとする幅広い観光関連産業に甚大な影響を及ぼしている。隔離なしでの往来を再開させるシンガポールとの間の「トラベルバブル」は、昨年から2度にわたり延期された。

    先の女性のほかにも「ワクチン接種の最大のインセンティブは渡航再開」との指摘は多く、正常化へ向けた香港政府の手腕が試されている。

    ※この記事は時事通信社の提供によるものです(2021年6月16日)

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