当ウェブサイトでは、サイトの利便性向上を目的に、クッキーを使用しております。 詳細はクッキーポリシーをご覧ください
また、サイト利用を継続することにより、クッキーの使用に同意するものとします。

タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌アレイズ

ArayZロゴマーク

ミャンマーの最新ビジネス法務

強制両替に関する規制

  • この記事の掲載号をPDFでダウンロード

    メールアドレスを入力後、ダウンロードボタンをクリックください。
    PDFのリンクを送信いたします。

メールアドレスを入力後、ダウンロードボタンをクリックください。PDFのリンクを送信いたします。

    ダウンロードができない場合は、お手数ですが arayz-info@mediator.co.th までご連絡ください。

      1.はじめに

      2022年4月3日にミャンマーで発布された中央銀行通知第12号(以下「通知第12号」)の規定により、原則として外貨の送金及び着金が困難となった。

      そこで今回は通知第12号及び、それに伴い発布された中央銀行による指令第4号と第6号、そしてレターについて紹介したい。

      2.通知第12号の内容

      1. i) 外国為替管理法第11条、12条、13条に従い、国内居住者は海外で得た収入をミャンマーに送金し、かつ外国銀行口座に当該収入を預金するためには認可ディーラー(AD)ライセンスを受けた銀行で外貨口座を開設し、1営業日以内にミャンマーチャットに兌換しなければならない。
      2. ii) 同第2条に記載されている手続きの免除事項がある場合、別途告知される。
      3. iii) 他国への外貨の送金に関して、ミャンマー連邦共和国の外国為替管理委員会の承認を得てADライセンスを保有する銀行を通して実施しなければならない。
      4. iv) 本通知の発行日前からミャンマーの外貨口座にある外貨もまた、第2条の記載事項の対象となる。
      5. v) 21年10月3日にミャンマー中央銀行により発布された通知No.35/2021は、本通知により廃止される。
      6. vi) 本通知は発行日から効力を発する。 vii) 本通知を順守しなかった者は、外国為替管理法に基づき措置が講じられる。

      3.指令第4号の内容

      外貨がミャンマーチャットに兌換される際、1USDあたり1,850ミャンマーチャット(MMK)のレートでなければならない。他の通貨への為替レートは、添付の通り1USD=1,850MMKに基づく。

      4.指令第6号の内容

      以下の事項を含む国内居住者による外貨の外国へのあらゆる送金は、外国為替管理法及び規則に基づく精査のため外国為替管理委員会に提出しなければならない。

      1. i) 輸入のための支払い(前払いも含む)
      2. ii) サービス及び他の支出のための支払い
      3. iii) 外国からの投資の配当、資本金の引き上げ
      4. iv) 外国での投資のための送金
      5. v) 外国から得たローン及び利子の返済
      6. vi) 外国為替管理規則第27条で規定される費用の送金

      5.レター内容

      外国為替管理委員会の決定に従い、以下の事項は通知第12号に含まれない。

      1. i) MIC許可で実施されている外国直接投資
      2. ii) 特別経済特区(SEZ)で運営されている投資事業
      3. iii) ミャンマーとの外交関係を確立している外国からの外交官及びその家族、大使館で現在働いている外交官及び外交官と同様の地位にある外国職員
      4. iv) 国連及びミャンマーにあるその組織で現在働いている国連職員及び国連通行証を保有するミャンマー市民
      5. v) ミャンマーの援助プロジェクトで働く開発機関の外国職員
      6. vi) 国際組織の外国職員(例:赤十字国際委員会、国際労働機関)、国際非政府組織(INGO)及び開発機関
      7. vii) 国営及び民間の国際航空会社

      6.今後について

      現在、各国大使館及び各国商工会議所が連携して、通知第12号の撤回または自国企業の適用除外等を要請している。したがって、今後適用除外が広がる可能性があるものの、ミャンマーで外貨を保有するリスクが生じていることから、状況を踏まえた上で保有する資産を再検討する必要がある。

      寄稿者プロフィール
      • 堤 雄史 プロフィール写真
      • TNY国際法律事務所共同代表弁護士
        堤 雄史(つつみ ゆうじ)

        東京大学法科大学院卒。2012年よりミャンマーに駐在し、駐在期間が最も長い弁護士である。TNY Legal (Myanmar) Co., Ltd.代表であり、グループ事務所としてタイ(TNY Legal Co., Ltd.)、マレーシア(TNY Consulting (Malaysia)SDN.BHD.)、イスラエル(TNY Consulting (Israel) Co., Ltd.)、日本(弁護士法人プログレ・TNY国際法律事務所)、メキシコ(TNY LEGAL MEXICO CO LTD)が存在する。タイ法、ミャンマー法、マレーシア法、日本法、メキシコ法及びイスラエル法関連の法律業務 (契約書の作成、労務、紛争解決、M&A等)を取り扱っている。

        Email:yujit@tny-legal.com
        Tel:+95(0)1-9255-201
        URL:http://tny-myanmar.com/
        URL:http://tnygroup.biz/

      • この記事の掲載号をPDFでダウンロード

        メールアドレスを入力後、ダウンロードボタンをクリックください。
        PDFのリンクを送信いたします。

      メールアドレスを入力後、ダウンロードボタンをクリックください。PDFのリンクを送信いたします。

        ダウンロードができない場合は、お手数ですが arayz-info@mediator.co.th までご連絡ください。

          人気記事

          1. タイ自動車市場〜潮目が変わった2023年と日系メーカーの挽回策〜
            タイ自動車市場〜潮目が変わった2023年と日系メーカーの挽回策〜
          2. ASEAN-EV市場の今〜タイ・インドネシアEV振興策および主要自動車メーカーの戦略〜
            ASEAN-EV市場の今〜タイ・インドネシアEV振興策および主要自動車メーカーの戦略〜
          3. Dear Life Corporation CEO 安藤 功一郎
            Dear Life Corporation CEO 安藤 功一郎
          4. なぜタイ人は日系企業を辞めるのか?
            なぜタイ人は日系企業を辞めるのか?
          5. タイ国外への支払いにかかる源泉所得税・前編
            タイ国外への支払いにかかる源泉所得税・前編
          6. タイの歴史の振り返りと未来展望
            タイの歴史の振り返りと未来展望
          7. タイ駐在中の生活で困ることとは?解決策もご紹介
            タイ駐在中の生活で困ることとは?解決策もご紹介
          8. 2023年のASEANの自動車市場の見通しと注目されるトレンド
            2023年のASEANの自動車市場の見通しと注目されるトレンド
          9. 分岐点に立つベトナムの国民車メーカー・ビンファスト
            分岐点に立つベトナムの国民車メーカー・ビンファスト

          広告枠、料金など詳しい情報は
専用ページをご覧ください。

          広告枠、料金など詳しい情報は
          専用ページをご覧ください。

          広告掲載についてページを見る

          お電話でのお問い合わせ+66-(0)2-392-3288

          タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌

          閉じる