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タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌アレイズ

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多様な観点から経営学を説く経営学の可能性

サシン経営大学院日本センター 藤岡資正所長コラム

経営学とコラボレーション

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    今月号の特集テーマである「日タイのパートナーシップ」に合わせて、本稿では経営戦略とコラボレーションについて考えてみたいと思います。

    コラボレーションは、日本語では連携・協力・協働・協調などと訳出されますが、カタカナとして用いられることも多いと思います。語源はラテン語の「com+laborate」で、共に労働する(co+labor)という意味があります。

    今から30年前に、コラボレーションがこれからのビジネスを根本的に変えていくことを示唆した、マサチューセッツ工科大学の研究者マイケル・シュレーグは、著書『マインド・ネットワーク』において、コラボレーションを単なる役割分担を明確にした共同作業としてではなく「専門や経験が異なる人たちや企業が同じ想いを共有しながら、情報交換や議論をするプロセスを通じて、単独では到達できないような新しい発見やシナジーが生み出されることを指す概念である」としています。

    このように、経営学におけるコラボレーションという用語は「互いに分担しながら共に働く」「利害の異なる立場の者が互いに協力する」というコ・オペレーション(co-operation)や、「目的を共有しながら協力する」というパートナーシップ(partnership)の意味合いを包含した概念として広く捉えられています。

    日常の経営においても「他部門とのコラボ」「A社とコラボする」「ぜひコラボしましょう」というように、コラボレーションという用語は頻繁に用いられます。また、組織内や組織間での取り組み、顧客や社会との取り組みというようにコラボレーションは様々な領域で生じています。たとえ組織間での取り組みに焦点を当てた場合でも、同一チャネル内での垂直的な関係や異業種との水平的な関係を指すものがあるなど、その関係性はひと言では言い表せません。

    環境の変化が激しく不確実性が増加する現代社会においては、各々が専門性を磨くことが大切になる一方で、複雑化する課題への革新的な解決策や創造的な成果を得るためには、異なる技能を有した人々や組織が共に問題に取り組むことが重要になるという点は不変です。

    「日タイのパートナーシップ」をコラボレーションと読み替えるならば、日本とタイが共通の目的を持って互いの専門性や経験を活かしつつ、時には議論をしながら協働し、価値を創造していくプロセスであると言えるでしょう。ここで「共通の目的」というキーワードにあるように、日タイのコラボレーションには互恵性が求められることを忘れてはいけません。

    ご存じのように、日本にもタイにも一国では解決することができない課題群が山積しています。だからこそ、未知なる未来へ向けて異質の才能や経験を有した者同士のコラボレーションが必要になるのですが、同時に、これらを総合する経験や能力を有した人材を育成していくことが急務となるでしょう。

    寄稿者プロフィール
    • 藤岡資正プロフィール写真
    • チュラロンコン大学
      サシン(Sasin)経営大学院日本センター所長
      明治大学専門職大学院教授

    • 藤岡 資正 Professor Takamasa Fujioka, PhD.

      英オックスフォード大学より経営哲学博士・経営学修士(会計学優等)。チュラロンコン大学サシン経営大学院エグゼクティブ・ディレクター兼MBA専攻長、ケロッグ経営大学院客員研究員などを経て現職。NUCBビジネススクール、早稲田ビジネススクール客員教授。神姫バス(株)社外取締役、アジア市場経済学会理事、富山文化財団監事などを兼任。
      撮影:石田直之

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