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不正を取り巻くゲームの変化〜不正を取り巻くゲームの変化〜

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    はじめに

    PwCでは、世界における不正や経済犯罪に係る実態や傾向を把握・分析する「PwC不正経済犯罪実態調査」を隔年で実施しており、この4月19日に2022年グローバル版を公表しました(以下「本調査」)。

    今回は、その結果から見て取れる不正や経済犯罪の最新の傾向とポイントを抜粋して説明します。

    内在する不正の表面化と新しい脅威の台頭

    直近調査年別の不正・汚職経済犯罪の経験割合の推移

    本調査によると、過去24ヵ月以内に何らかの不正や経済・金融犯罪を経験したと回答した企業は全体の46%でした。この数字は09年の30%と比較して16%上昇している一方で、18年以降は横ばいとなっています。00年以降、コンプライアンスの重要性を求める声が世界中で高まるなか、多くの企業が不正リスクへの認識を向上させ、コンプライアンス経営を推進してきました。その結果、今まで社内に潜んでいた不正や黙認されていた問題が着実に明るみに出るようになってきたのが、18年までの傾向と考えられます。

    また直近の高止まりについては、今まで企業が積み重ねてきた不正防止検出策が効果を発揮していると同時に、より複雑化かつ巧妙化する外部からの脅威に何とか対抗しようする企業との攻防が伺えます。本調査によると、サイバー犯罪(37%)と顧客不正(33%)等の外部脅威が伝統的な不正である資産の横領(25%)、購買不正(20%)を押さえて最も発生した不正・経済犯罪であったという結果が出ています。

    企業を取り巻く不正環境は確実に変わりつつある。 迫り来る外部脅威

    被害が最も大きかった不正の犯人の内訳

    従来、「不正」と言うと経営陣や従業員による社内不正がほとんどでした。

    しかし直近の調査結果によると、不正・経済犯罪の43%が外部からの犯行で、26%が内外共謀に該当する等いずれの数字も20年の結果から上昇しており、内部犯行が減少するなかで、確実に外部からの脅威が高まっていることが分かる結果になっています。

    また、外部犯の内訳はハッカーが31%、顧客が29%、そして組織的犯罪が28%(複数回答)となっており、昨今の不正・経済犯罪の多くが、より専門的かつ組織的な詐欺集団による犯行であることが分かります。これらの専門集団が持つ主な特徴として、グローバルで活動していること、明確な目的やターゲットを持っていること、また達成度に応じてインセンティブやボーナスを支払っていること等が挙げられます。

    組織的な犯行例としては、個人情報や機密情報を搾取することを目的としたサイバー犯罪等がありますが、より情報が価値を持つ時代において同様の不正は今後も進化し、各企業の負担はさらに増加していくと考えられます。

    これら外部犯による犯罪行為が、従来の企業内部で発生する従業員の不正と決定的に異なる点は、後者に比べて内部統制強化や一般的な不正防止活動等の努力による影響を受けにくいということで、今後はその対策をどうとるべきかが、新脅威と戦う上での焦点になってくるでしょう。

    新たな不正のフロンティア−デジタルプラットフォーム

    外部脅威に関連した興味深い調査結果として、不正を経験した企業の約4割が、デジタルプラットフォームに関連する不正であったと回答している点があります。ソーシャルメディアやEコマース、その他ライドシェア、ロッジングシェア等のサービスはこの数年で私たち生活に欠かせないものとなりましたが、それが逆に不正や犯罪の入り口になってしまっているのです。

    犯罪者は、プラットフォームの持つ波及効果を最大限に活かし、なりすましや巧みな誘導によって個人のちょっとした油断をついて情報を収集し、攻撃を仕掛けてきます。その手法は往々にして、会社の同僚を装ったSNSアカウントからの友達申請、公共スペースでの会話やパソコン画面からのID情報の窃取等、必ずしも最先端の技術を活用したハッキングによる攻撃だけではありません。このようなリスクへの対応は、セキュリティや社内統制だけでは不十分で、従業員への継続的な教育といった忍耐強い努力が必要になる点で、従来のリスク管理よりも難しくなります。

    不正と同時に、在タイ日系企業が抱える足元の問題を無視してはいけない

    コロナ禍にタイで増加した不正リスク

    前述の通り、不正や経済犯罪を巡る“ゲーム”はここ数年で世界的に大きく変化しており、それはタイを含む東南アジアも例外ではありません。しかし忘れてはならないのは、新たな脅威が増える一方で、タイ国内では依然として資産の横領や購買、サプライチェーン周りの不正が多く発生し、多くの日本企業が多額の被害を受けているという事実です。

    特に、内外共謀による利益相反関係から発展する数多の不正は、財務的被害はもちろんのこと企業の風評や商品の品質といった非財務的被害にも多大な影響を及ぼします。したがって、最新の外部リスク対策はもちろんのこと、取引先の継続的評価やベンダーリスクを可視化するといった仕組みを導入する等の足元の不正対策を両輪で回すことが今求められています。

    「PwC不正経済犯罪実態調査2022」の原文は以下よりダウンロードください。 https://www.pwc.com/gx/en/services/forensics/economic-crime-survey.html

    ※本稿は、一般的な情報の提供を目的としたもので、専門コンサルティング・アドバイスとしてご利用頂くことを目的としたものではありません。情報の内容は法令・経済情勢等の変化により変更されることがありますのでご了承下さい。
    寄稿者プロフィール
    • 吉川 英一 プロフィール写真
    • PwCタイ コンサルティング部門 ディレクター

    • 吉川 英一 

      M&A、業務改善、リスク管理、フォレンジック領域において日本国内外を含み計15年の経験を有し、2015年1月よりPwCタイに赴任。東南アジアにおける日本人フォレンジック専門家の第一人者として、不正調査、サイバーセキュリティー、データ分析、不正リスク管理体制の構築、半贈収賄コンプライアンス等の支援を多数指揮してきた。現在は、東南アジア域内における同サービスの日系企業向けの支援を管掌している。米国公認会計士。日本証券アナリスト協会検定会員。公認不正検査士。


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