当ウェブサイトでは、サイトの利便性向上を目的に、クッキーを使用しております。 詳細はクッキーポリシーをご覧ください
また、サイト利用を継続することにより、クッキーの使用に同意するものとします。

タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌アレイズ

ArayZロゴマーク

MU Research and Consultingコラム

PTT Public Company Limited

  • この記事の掲載号をPDFでダウンロード

    メールアドレスを入力後、ダウンロードボタンをクリックください。
    PDFのリンクを送信いたします。

メールアドレスを入力後、ダウンロードボタンをクリックください。PDFのリンクを送信いたします。

    入力いただいたメールアドレス宛に、次回配信分からArayZ定期ニュースレターを自動でお送りいたします(解除可能)。個人情報の取り扱いについてはこちら

     タイをはじめとするアジア各国で絶大な影響力を持つ財閥系コングロマリット。足元のコロナ禍、東南アジアを代表する企業の勢力図や経営方針はどのように変化しているのか、RCEPを見据えた域内での競争力向上をどのように実現させようとしているのかなど、本連載では解説していく。
    今回は国営の資源最大手PTTを取り上げる。

    PTT Public Company Limited 企業概要

    業種:オイル及び製造業

    設立:1978年

    オーナー:タイ財務省 (51.1%)

    従業員数:4,616名 (PTT)、24,680名 (関連会社)

    時価総額:2兆6,630億バーツ

    総売上:1兆6,157億バーツ

    基本情報

    PTT Public Company Limited、略してPTTは1978年、タイ国内の石油および石油関連事業運営を目的に、タイ石油公社(Petroleum Authority of Thailand)としてタイ工業省直轄で設立された。以降、民営化の追い風に乗り、2001年、政府が51%以上を保有することを前提としてタイ石油公社から株式会社へと変更。同年内に登記資本金200億THBでタイ証券取引所に上場した。現在、タイの財務省が51.1%を保有しており、最大株主となっている。

    グループ構成

    20年末時点では、23の子会社及び合弁5社、系列会社6社など30社以上にてグループは構成されており、21年5月末時点のグループ時価総額は2兆6,630億バーツ(約850億USD)と、タイ上場企業の時価総額全体の15%を占めている。また、Fortune Global 500にランクインしている唯一のタイ企業でもある。

    事業内容

    中核事業である石油・ガス事業は自社で手掛けつつも周辺事業はグループ会社が担い、広範な事業分野をカバーしている。川上の探査・採掘などの事業はグループ子会社であるPTT EPやPTT LNGなどが中心となって行い、川下であるリテール、最終商品生産、新規事業などはPTT ORやThai Oil、PTTGC、IRPCなどの子会社が担っている。

    直近の動き

    昨年5月、組織改編により同社に30年間務めてきたAuttapol Rerkpiboon氏が、10代目となる代表取締役兼会長として任命された。原油価格の下落、新型コロナウイルス蔓延による経済低迷による危機対応への取り組みについて、本人のリーダーシップや決断力が評価されての任命とされている。

    既存事業からの多角化がカギ

    今年に入って同社はグループビジョン“Powering Life with Future Energy and Beyond”を発表した。その骨子は既存事業を強化しながらも、エネルギー分野で未来型エネルギー(Future Energy)事業の開拓と、新規領域(Beyond Energy)への参入を宣言したものである。

    結果として足元の中核事業である石油・ガス事業からの依存度を下げていくことも狙いとして含まれている。この実現のため、21年から30年までの投資の80%は既存事業に、10%は未来型エネルギー事業に、残りの10%は新規領域の開発に配分することも明らかにしている。

    中核事業については、川上の資源開発部門で積極的に海外投資を行い、特にLNGにおいては地域ハブになることを目標とする。

    直近でもオマーンやアルジェリアの油田開発プロジェクトに投資するなど海外プロジェクトに積極的に取り組んでいる。なお、川下の小売事業でもガソリンスタンド付設カフェから始まったCafé Amazonをベトナムで展開するなど、海外でのプレゼンス拡大に注力する。

    成長分野では提携を積極活用

    未来型エネルギー事業に関する取り組みでは、再生可能エネルギー事業の海外展開、電気自動車のバリューチェーン構築、水素エネルギーの開発などが挙げられる。

    事業推進については他社とのパートナーシップを積極活用する。その一例として今年5月に台湾の大手電子メーカー鴻海科技集団(Foxconn)と電気自動車及び部品生産プラットフォーム構築に対する覚書を交わした。

    また、新規領域への参入については、ライフサイエンス分野への参入を図っている。その中心にある会社が、昨年12月にライフサイエンス事業会社として設立されたInnobic (Asia) Co., Ltd.である。

    グループはこの子会社を中心に製薬・医療機器・機能性食品などの展開を進めていく方針。同社にとって新規分野となるため外部との協業は必須であり、台湾の製薬大手Lotus Pharmaceutical社に出資(株式6・66%、約5000万米ドル)、ASEAN市場への攻略を目標として掲げている。

    また今年4月にはPTTのグループ子会社で石油化学事業を手掛けているIRPCとグループ内で合弁会社を設立、不織布マスクや医療用消耗品を生産・販売する。

    5月には、ジャックフルーツからたんぱく質を抽出するベンチャー企業NR Instant Produce PCL.に3億バーツの投資を発表し、22年の年末には稼働を開始する予定である。

    ジャックフルーツ

    このように、既存事業ではアセアンのハブを目指すとともに、伝統的なエネルギー事業に留まらずグローバルトレンドへの積極的な対応や、今まで手掛けていなかった新規領域に対しても内外のパートナーと挑戦し続けていくことで、今後もタイ最大企業としての立ち位置を盤石にしていくものと考えられる。

    寄稿者プロフィール
    • 池上 一希 プロフィール写真
    • MU Research and Consulting (Thailand) Co., Ltd.
      池上 一希 Managing Director

      日系自動車メーカーでアジア・中国の事業企画を担当。2007年に当社入社。大企業向けの欧米、中国、アセアン市場での事業戦略構築案件を中心に活動。18年2月より現職。バンコクを拠点に東南アジアへの日系企業の進出戦略構築、実行支援、進出後企業の事業改善等のテーマに取り組む。


    • 金 勲貞プロフィール写真
    • MU Research and Consulting (Thailand) Co., Ltd.
      金 勲貞(キム フンジョン)Senior Consultant

      韓国で大学卒業後、主に米国系事業会社にて営業支援、人事、マーケティングなどを経験。2006年に渡日、一橋大学大学院にてMBA取得後、日系大手事業会社で人事、国際業務、新規事業企画などを歴任。15年よりタイに移住、日系企業タイ現地法人にてマーケティング、人事、その他管理全般を経験。18年に当社入社。

    三菱UFJリサート&コンサルティング

    MU Research and Consulting(Thailand)Co., Ltd.

    Tel:+66(0)92-247-2436
    E-mail:kazuki.ikegami@murc.jp(池上)

    【事業概要】 タイおよび周辺諸国におけるコンサルティング、リサーチ事業等

    \こちらも合わせて読みたい/

    Vol.1 タイ財閥の全体像

    • この記事の掲載号をPDFでダウンロード

      メールアドレスを入力後、ダウンロードボタンをクリックください。
      PDFのリンクを送信いたします。

    メールアドレスを入力後、ダウンロードボタンをクリックください。PDFのリンクを送信いたします。

      入力いただいたメールアドレス宛に、次回配信分からArayZ定期ニュースレターを自動でお送りいたします(解除可能)。個人情報の取り扱いについてはこちら

      人気記事

      1. タイのBOIの新たな投資奨励措置について
        タイのBOIの新たな投資奨励措置について
      2. タイ財閥最新動向-変貌を遂げるアジアのコングロマリット
        タイ財閥最新動向-変貌を遂げるアジアのコングロマリット
      3. Dear Life Corporation CEO 安藤 功一郎
        Dear Life Corporation CEO 安藤 功一郎
      4. 「経営学の可能性」セミナー【価値共創経営 〜理論と実際〜】セミナーレポートPHOTO
        「経営学の可能性」セミナー【価値共創経営 〜理論と実際〜】セミナーレポートPHOTO
      5. モーターエキスポ2022にみる中国系BYDの躍進
        モーターエキスポ2022にみる中国系BYDの躍進
      6. タイで始める投資信託
        タイで始める投資信託
      7. 競争から協調・協働、そして価値共創へ
        競争から協調・協働、そして価値共創へ
      8. タイ国外への支払いにかかる源泉所得税・前編
        タイ国外への支払いにかかる源泉所得税・前編
      9. タイの新たな電気自動車(EV)奨励策
        タイの新たな電気自動車(EV)奨励策

      広告枠、料金など詳しい情報は
専用ページをご覧ください。

      広告枠、料金など詳しい情報は
      専用ページをご覧ください。

      広告掲載についてページを見る

      お電話でのお問い合わせ+66-2651-5655

      タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌

      閉じる