アフターコロナの経営変革

企業トップに聞くアフターコロナの経営変革【輸送機器業界】

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アフターコロナの経営変革

新型コロナウイルスの問題に加えて、タイは国内市場の成熟や少子高齢化など様々な変化を迎えている。企業のトップはそれらをどう捉え、対処しようとしているのか。各分野の企業トップの展望を三菱UFJリサーチ&コンサルティングの池上氏が聞く。

松本 滋

TOYOTA MATERIAL HANDLING

物流に欠かせないフォークリフトの世界最大手。近年は物流の自動化システムを手掛けるオランダのファンダランテ、アメリカのバスティアンを買収するなど物流ソリューション事業を強化している。

トヨタマテリアルハンドリング(タイランド)は2017年にフォークリフトなど産業車両の地域販売統括拠点として設立。「トヨタ」「BT」「レイモンド」「タイリフト」ブランドの産業車両の販売・保守支援に加え、無人搬送車(AGV)や自動倉庫(AS/RS)など倉庫内の自動化をサポートする物流ソリューションを提供している。


TOYOTA MATERIAL HANDLING(THAILAND)CO., LTD.

196 On nut Road, Prawet, Prawet, Bangkok 10250 Tel:02-4949-155

物流ソリューション

Tel:+66-(0)98-124-5485
E-mail:tsuchiya@tmhth.toyota-industries.com(土屋)

フォークリフト

Tel:+66-(0)98-824-4121
E-mail:onishi@tmhth.toyota-industries.com(大西)


BT Midland Co., Ltd.

96 On nut Road, Prawet, Prawet, Bangkok 10250
Tel:02-721-6480


タイにおける物流の自動化をどのように見ていますか?

コロナ禍を経て自動化に関する引き合いはさらに増えています。しかしながら、自動化だけで短期の投資回収を目指す計画はタイでは人件費の面でなかなか成り立たず、残念ながら断念されるお客様もいらっしゃいます。

ただ、タイのお客様からは「従業員がすぐ辞めてしまい教育に時間が掛かる」「棚卸をすると帳簿と在庫の数が合わない」といったお困りごとを聞きます。そのような問題に対応する手間暇や費用の解消と自動化を融合させる、もしくは自動化によって新たに生まれたスペースを活用して収益アップを図ることでタイでも十分な投資効果が出てきます。特に、自動倉庫(AS/RS)は天井までの上部空間の有効活用と通路幅の最小化により、従来の3分の1までスペースを小さくすることができます。

新しい倉庫内の自動化を手掛ける企業が多数ある中、弊社が目指しているのは自動化とこれまでお客様が育てて来られた各種ノウハウとの融合です。単純ミスの防止や限られたスペースを最大限活用するために自動化する部分と、人が関与する部分を適切に切り分け、人が頭を使い、日本らしく改善を進めて生産性を高める余地や、生産するもの、運ぶもの、保管するもの、またはその量が将来的に変わったとしても対応できるフレキシブルなスペースを残した提案をしたいと思っています。

言わば〝リフォーム屋〟として自動化を駆使した大型新築物件だけではなく、既存の設備、スペースの有効活用をしながら改善できる点、将来への備えを提案してまいります。

弊社は産業車両の長い歴史を持ち、お客様が何を運び、どうやって保管し、設備をどのように有効活用したいのか、どのように構内物流を改善し、スペースをどうフル活用できるか等、幅広い要望にきめ細かく寄り添える唯一の企業と自負しています。

新型コロナウイルスは御社の事業にどのような影響を与えましたか?

製造業のお客様の動きが止まった分、巣籠り需要によるEコマースの伸びによってカバーされました。欧米などは前年並み、ただ東南アジアはEコマースがまだ成長途上なので多少落ちましたが、想定していたほどではありませんでした。影響は最小限に留めることができました。

リーマンショックの方が影響としては大きかったです。あの時はモノがまったく動かなくなって販売店に在庫が溜まってしまい、景気が回復してもまず在庫をさばかなければならず、工場を稼働させるまで時間が掛かりました。

その経験を基に、昨年の感染拡大時には過剰在庫を避けるため販売店にまず在庫調整および手元資金の確保を求めました。メーカーなのに「工場にオーダーを打つな」と指導する変わった体験でした。また、エンドユーザー様が稼働再開時にスムーズにフォークリフトをお使いいただけるよう、工場の停止中に行うべき必要最低限の手入れ方法をご連絡させていただきました。

ところが想定より早く需要が回復して在庫が足らなくなり、逆に工場へのオーダーが上振れしてしまいました。

お客様の中には手元に資金を置いておくため、新車を購入するのではなく短期のレンタルで対応されるケースもありました。同様の傾向は今後も続く可能性があります。

これまで販売店には「1台で3回稼いでください」という言い方をしてきました。まず①リースとして提供、②リース終了後は短期のレンタル、③最後は中古車として販売する、このようなバリューチェーンを組むことで事業の継続性と持続可能な社会への貢献を高めることができます。またこのように長期間機台を活用できるのも、トヨタ品質の強みだと思います。

コロナ禍によってお客様の考え方は変わってきています。弊社にとっても販売店の中で新車販売に頼らない意識が芽生え、様々なお客様に対応できる力が付いてきたのは不幸中の幸いでした。

【聞き手】三菱UFJリサーチ&コンサルティング 池上 一希

今後に向けてどのような事業展望をお持ちですか?

病院やホテルなど、これまで主に人がモノを運んでいた分野まで産業車両、自動化が普及する可能性があります。また、環境への配慮などから産業車両にも電動化の波があります。エンジン車で求められた騒音、熱、振動対策が要らなくなり、参入障壁が低くなって新規のメーカーが次々と出てくることも考えられます。

その変化の中で勝ち残るためには、ハードに頼らない提案力が鍵になってきます。

弊社の本社は26年に100周年を迎えますが、長い歴史から学んだ知識だけではなく、ダーウィンの進化論「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」を今一度心に刻み、コロナ禍での新常態、SDGs等の環境対応、IoT等様々な環境変化にアンテナを張り、過去の慣習や成功例に囚われない経営、ご提案ができるように取り組んでいきたいと思っています。

弊社が目指しているのは、お客様の構内物流のトータルソリューションパートナーになることです。

従来、タイに進出した日系企業は地震を考慮して高さ制限がある日本の物流オペレーションをそのまま移管していました。しかし、昨今は高さを最大限活かす欧米型のオペレーションを取り入れる日系企業も増えてきました。弊社は欧米系のブランドも傘下に多数抱え、各国の特長を備えた商品を提供することができます。

日本にはナポリタンや天津飯といった日本と海外の文化をうまく融合させた食文化が存在しますが、弊社もマテハン・自動化・日欧米文化のボーダーレスで型にはまらないイノベイティブな提案ができるような体制をより強固に作り、リーマンショックとは逆の〝人は動かないが物は動く〟新しい環境でお客様のお役に立てるマテハン機器、システムをご提案し、各社様の発展に寄与できればと思います。


タイの輸送機器業界動向

by MU Research and Consulting (Thailand)Co., Ltd.

2010年代以降、オペレーションの効率化を指向する中でASEANにおける自動化関連市場は拡大。特にタイはASEANにおいても人件費の水準がシンガポール、マレーシアに次いで高く、近年年率5%台で上昇が続くなどコストの上昇が課題。従来は生産現場における機械化が主であったが、近年は政府の税制恩典なども後押しし物流分野における自動化も拡大しつつある。担い手は外資化のみならず食品大手CPグループや素材大手SCGなどの大手コングロマリットも自動搬送機の導入から無人倉庫を備えた新物流センターの建設など積極的に取り組みを進めている。

自動化サービスを提供するプロバイダーの戦略は各社により大きく分かれる。パレット、コンベア、搬送機などの自動化機器の提供から、それに留まらずITやエンジニアリング分野も含めオペレーションの全体最適を目的としたコンサルティングをカバーするケースも近年は増加。近年は機器売りでは価格的に競争力のある中国系のシェアが上昇していることもあり、高付加価値化が一つのキーワードとなっている

図表 タイにおける自動化市場(2014~18年/%は対前年成長率)

三菱UFJリサート&コンサルティング

MU Research and Consulting(Thailand)Co., Ltd.

Tel:+66(0)92-247-2436
E-mail:kazuki.ikegami@murc.jp(池上)

【事業概要】 タイおよび周辺諸国におけるコンサルティング、リサーチ事業等

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