ビジネス・経済 2019.09月号

「タイ人社員の視点を大事に」

ASEAN地域で活躍する企業を紹介
湖池屋(タイランド)


小峯 剛●こみね つよし

 「ポテトが辛くてなぜおいしい」をキャッチフレーズに激辛ブームの火付け役と言われるスナック菓子の「カラムーチョ」。日本で初めてポテトチップスの量産化に成功し、「スコーン」「ドンタコス」「ポリンキー」など独創的な商品を開発・製造してきた湖池屋の看板商品で、ラテン系の情熱的な辛さを連想させる。

 将来性があり、日本製品への関心が高い国での事業展開を推進する湖池屋が、2004年に進出した台湾に続いて選んだのがタイ。13年より複合企業TCCグループ傘下の消費財大手バーリ・ジャッカー (Berli Jucker)に製造(工場はサムットプラカーン県)・販売を委託してきた。同社は国内の流通網に強みを持ち、日系のコンビニエンスストアはもちろん、タイ・外資系の大手小売店の商品棚に世界一辛い4種のカラムーチョが並び、今タイ市場で絶好調だ。

 タイ現地法人のマネージングダイレクターを任されている小峯剛氏は、今年1月に湖池屋に転職。昨年11月まで、某飲料大手のタイ現地法人に約3年間在籍していたが、日本への帰国辞令が出た。「海外で企業経営するのが夢でした」と、アジア市場での事業拡大を図る湖池屋に転職し、約2ヵ月でタイに舞い戻った。海外経験は豊富で、タイ以外では米国のニューヨークとマイアミに計4年間駐在した。

 2度目のタイ赴任になるが、「今回はしっかり腰を落ち着けて現地の社員と一歩一歩進んで行きたいです。前職で培った現地の食品飲料市場の知識と経験を生かしていきます」と抱負を語る。

伸び伸びと働ける職場作り

 湖池屋は2016年にベトナム・ホーチミンに現地法人を設立。翌年には初の海外生産拠点が稼働した。現地市場にターゲットを絞った戦略で、同国でも人気のドラえもんをパッケージに使用し、認知度が向上した。

 小峯氏は、辛いだけでなく旨味があり、やみつきになる点がカラムーチョの特長と、他社商品との違いを強調する。ただ、嗜好は各国で異なる。タイ人は酸味にこだわり、製品も辛さだけでなく日本とは異なる傾向の旨味が施されているが、ベトナム人はタイ人が敬遠しがちな黒胡椒を利かせた商品を好むという。「将来はベトナムと協同でアセアン市場を伸ばしていきたい」と意気込む。

 赴任初年度の目標は商品の認知度を高めることで、「試食サンプリングを行っています。ただ、タイ人は『まずい』とは絶対に面と向かって言わないので、社員が試食会に必ず同席し、本音を引き出すように努力しています。幸い好評で『試食後にどこで購入できるか』などとよく聞かれ、近くの店舗が当日売り切れになりました」と説明する。

 「私も任されれば、任されるだけ力が発揮できるタイプだと思っています」と、タイ人社員が商品のマーケティング戦略や販促活動などを自主的に考え行い、伸び伸びと働ける職場環境作りを目指している。ターゲット層は若い社会人と学生なため、マーケティングについては、「辛さや酸味の度合い、何がささるかなど、同世代のタイ人社員が一番把握している。同業界で経験がなく、商品知識のない彼らの視点に気付きをもらうことが多いです」と冷静に分析する。

 私生活では幼い子供2人を、遊び場の少ないタイでどう育てていくかを心配する一方で、外国人と触れ合う機会が多い中でどう成長していくかが楽しみと話す。南部クラ ビ、カオラック、ホアヒン、サメット島など、子供が好きなビーチリゾートは体験済み。自身は身体を動かすことが大好きでゴルフ場やジムで汗を流すことが習慣となった。冷静沈着に受け応えする小峯氏だが家族の話になると、「タイの事業が軌道に乗ったら、旅行で色んな国に連れて行ってあげたい」とカラムーチョのような情熱的な一面を見せる。

KOIKEYA(THAILAND)CO.,LTD.

159/39 Serm-Mit Tower, Unit 2502/1, 25th Fl., Sukhumvit 21 Rd.(Asok), North Klongtoey, Wattana, Bangkok 10110

TEL:+66 (0)2-258-5717
Web:https://koike-ya.com/en/

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