中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

第3回 中小企業社長兼経営コンサルによる現場発経営論

第3回 中小企業社長兼経営コンサルによる現場発経営論

 前号に引き続き、「タイ人従業員を採用してもすぐ辞めてしまいます。引き留める方法はあるでしょうか」という問いに対する私の考えを書いてみたいと思います。

 「辞める理由はケースバイケース。こうすれば辞めない、という単一の答えを探すのはあまり意味がない」という話を前号では書きました。しかし会社を運営する立場として、仕方がないで済ませるわけにもいきません。ではどうすればよいのか。私は「帰属意識」がカギになると思っています。

 現在の労働人口の多くを占め、かつ今回のような早期退職問題の中心にあると思われるミレニアル世代(1981年~96年生まれ)は、前世代と比較して「会社内での出世に興味がなく、働き方における自由、例えば起業・フリーランスで働くことを好む」とされています。

 一方、人間が社会的動物である以上、他者との繋がりや承認欲求は捨てがたく、「他人との共感を重視する」「自分の価値観が受容される集団への仲間意識が強い」といった傾向があるともされています。

 この「自由は欲しいが、自分を分かってくれる人とも一緒にいたい」という人たちに、会社に所属する意味として訴えかけるのが、「帰属意識」だと考えています。会社というハコに興味はないが、自分を認めてくれる人がいて、かつ、彼らの方向性にも賛同するから会社にいたいと思わせる。これが帰属意識を持たせる意義かと思っています。

 高度なチームワークを誇る組織の調査を行った「カルチャー・コード」(かんき出版)という本によれば、チームを機能させるカギは3つあると言います。

1 安全な環境
(自分はそこにいてよいと感じられる)
2 弱さの開示
(自分の弱さをさらけ出せる)
3 共通の目標
(クリアな共通の目標が存在する)

 そして、これらが会社のメンバーに高い帰属意識を持たせる方法ともされています。もしそうであるなら、退職を防ぐだけではなく、チームとして高いレベルで機能させることも可能になるということです。

 これまでの話では抽象的過ぎて想像し辛いかもしれません。次回は、私が帰属意識を高めるために具体的に行っている内容について書いてみたいと思います。

倉地 準之輔
倉地 準之輔
日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

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