ビジネス・経済 2017.02月号

元外資系投資銀行アセットマネジャーが分析する! バンコク不動産投資最新動向

 

第10回 2017年はスクムビット・ミッドタウンに注目!

筆者は昨年10月、東京、大阪、名古屋、福岡でバンコク不動産投資セミナーを開いたが、その際、タイ人の間で注目度ナンバー1であるオンヌットに対象を絞り解説した。
特に駅前のハイライズプロジェクトであるRHYTHM、Qハウス、IDEO MOBIの3つをオンヌットのベストバイコンドとして挙げ、それぞれのプリセール時の価格から中古となった現在の実勢価格への価格推移、そしてなぜこの3つのプロジェクトがベストなのかなどについて、筆者の思うところを話した。

しかし、現在、オンヌットのスクムビット通り沿いの平均地価は80万バーツ/ワー(1ワーは4m²)以上に上昇し、当初10万バーツ/m²程で売り出されたこれら中古プロジェクトのリセール価格も15万バーツ/m²まで上がってしまったため、タイ人アッパーミドルクラスでもなかなか手が届かなくなってしまっているのが実状だ。駅前の用地取得困難もあり、今後はスクムビット・ソイ77(オンヌット通り)に新規供給の中心が移ると予想されている。
しかし、通常は駅から離れるほど周辺の開発や物件価格の値上りがスローになり、投資妙味は半減してしまう。特にオンヌットの場合、駅前でホテル、シネマコンプレッ クスの建設が進行中で、向こう5年先のポテンシャリティを考えると、やはりソイ77より駅前なのだ。
そこで、タイ人アッパーミドルクラスが次に狙ってくるところはどこかと考えてみる。答えは簡単だ。つまり、その先のバンジャーク、プンナウィティー、ウドムスク、バンナーの各駅前に供給されるコンドミニアムだと筆者は考えている。
というのも、この沿線ではウイズダム101やザ・バンコクモールといったオフィス、商業、住宅の大規模複合開発が進行中であり、一方で国際貿易展示場であるバイテックがあるバンナーでは、ビラッジタワーなどのグレードAオフィスビル群が建設され、今後、ラマ9エリアと並ぶCBDになると言われているからだ。実際、アナンダーはハイクラスセグメントのIDEOの供給をバンジャークやウドムスクで進めているが、こういうプロジェクトは注目すべきだ。

オンヌットはこれからもBTSスクムビットライン沿いのミッドタウンで中心的な存在であり続ける。しかし、ソイ77で投資をするのであれば、むしろバンジャークからバンナーにかけての新規プロジェクトに投資していくべきだ。何故なら、向こう5年先を見通すと、こちらの方が様変わりしているはずだからだ。
それに、現在の円安状況下では購入金額全額を直ちにバーツに交換して支払わなければならない中古物件の購入には躊躇する。トランプ大統領になれば、安定した為替相場よりも円高と円安がオーバースイングするジェットコースター相場になる可能性も高い。その場合でもプレビルド投資であれば、ダウンペイメントを払いながら円高のチャンスを待てるし、竣工までに円高にならなければゲンガムライで転売してしまうことも可能だ。そういうことを考慮すると、大型複合開発が目白押しのBTSスクムビットライン・ミッドタウンでのプレビルド投資は狙い目なのである。


藤澤 慎二
前職はドイツ銀行の国際不動産投資ファンド、RREEFのシニア・アセットマネジャーで米国公認会計士。現在はバンコクに在住し、自身のブログ「バンコクコンドミニアム物語」(http://condostory.blog.jp)で、バンコクの不動産マーケット情報を発信している。
連絡先:087-481-9709
bkk.condostory@gmail.com

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