課題、問題意識がイノベーションを生む
『ゲームのルールを変えろ』
Cross Marketing (Thailand) Co., Ltd.
濱野英和
オフィス機器の法人営業マネージャー、株式会社ネットマイルのリサーチ事業部立ち上げ、株式会社ミクシィ・リサーチの代表取締役COOを歴任。マーケティングリサーチ業界で10年以上の経験を持ち、オンラインリサーチ以外の手法や、モバイルリサーチに関する研究、サービス開発を行う。2016年度からクロス・マーケティング(タイランド)社代表に就任。
業界平均数倍の利益を上げるグローバル企業、ネスレの日本法人史上で初めて、生え抜きで日本人CEOとなった高岡浩三氏が世界に通用する日本的経営について明かした著書。
本書を紹介くださった濱野社長は、ミクシィ・リサーチ勤務時代に本書と出会う。
「マーケティング業界において著名な高岡氏の、リサーチに対する考えを知りたいと手に取りました。当時、リサーチをする業界側も顧客であるメーカー側も、新しいリサーチ方法に関心はあるが利用するには至らないといった状況にあり、従来のやり方を変えることへの抵抗を感じていました。そんな中、イノベーティブな視点でビジネスを生み出していたのが高岡氏のネスレ日本です」。
ネスレ日本は数々の成功戦略を生み出してきたが、例えば「ネスカフェアンバサダー」では社外の人を巻き込み、それまで家庭で飲むコーヒーブランドとされていた「ネスカフェ」を、オフィスに普及させるというマネジメントイノベーションに成功した。濱野社長は、イノベーションには技術的な発明があれば、課題や問題意識から生まれるものもあるのだと知ったと話す。
「GrabやAirbnbも近い発想なのではいかと思います。技術が進化し続ける中でも、人が抱える課題や問題意識を見出すことで、人と企業の相互にメリットのあるビジネスが生まれる。私も東南アジアだからこそできる、現地市場にフィットした新しいマーケティング・リサーチの流れを起こせたらと考えています」。