ビジネス・経済 2020.02月号

第26回 エコカー2で市場喚起狙う主要日系メーカー(後編)

タイ、アセアンの自動車ビジネス新潮流を読む

市場関係者を驚かせた「シティ」エコカー2投入

 満を持してエコカー2に投入されたのが、ホンダの「シティ」である。下位セグメントのエコカーの排気量・燃費基準に合わせるために、排気量を1500ccから1000ccターボにダウンサイズして投入。その一方でエコカー1で販売していた「ブリオ」「ブリオアメーズ」の販売を停止し、市場関係者を驚かせた。

 Bセグメントで月間2,000~3,000台を販売している人気車種が、エコカー2の特典により値下げしたので、市場へのインパクトは大きい。エコカーであることを謳わず、価格は579,500~739,000バーツと、50万~60万バーツのプライスレンジにある他社のエコカーより高めに設定した。

 日産も同様に、新型「アルメーラ」では、1000ccターボにダウンサイジングし、エコカー2として投入。トヨタは、「ヤリス」「ヤリスATIV」のマイナーチェンジで、デュアルVVT-iEエンジンを搭載することで燃費、Co2排出量を改善し、エコカー2の基準に合わせた。

厳しさ増す今年の市場環境B/Cセグメントは低調か

 2020年は国内市場が前年に比べて90万台に縮小することが予想されるが、年間約20万台規模のエコカーセグメントは、新車効果と、経済低迷によるユーザーの低価格車志向が相まって、堅調に推移することが期待される。

 その代わり、B/Cセグメントでは目立ったモデルチェンジや新型車投入が見当たらず、新車効果はあまり望めないだろう。エコカー中心の低価格セグメントで販売競争になる一方、輸出は特に主要市場である豪州、アジア向けに落ち込んでおり、収益的には厳しい状況が続くことが予想される。

エコカー2に投入された新型「シティ」
エコカー2に投入された新型「シティ」:筆者撮影

執筆者:野村総合研究所タイ

マネージング・ダイレクター
田口孝紀


シニアコンサルタント
山本 肇

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