ASEAN 2019.08月号

現地からレポート! CLMV最新トピック 【第23回】ミャンマー、ベトナム編

タイ以外のメコン流域諸国(CLMVと呼ばれるカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)で流行しているモノやコト(内需の観点から)に加えて、注目の商品・サービスや投資案件、新制度の施行状況など、政治・経済・社会の話題を現地在住の専門家が発信するコラム。第23回目となる今回は、ミャンマーとベトナムからレポートをお届けします。


 会計年度については、ミャンマーでは自由に決められずに指定された期間で決算が行われることになります。国の決算については、2018-19会計年度から、3月末から9月末に決算期を変更していました。民間は3月末決算のままでしたが、国の会計年度だけ先行して決算期変更を行いました。

 2019年5月15日付、計画財務省の発表にて、すべての民間企業の申告・個人所得税の申告について、19年4月1日から19年9月30日の計算期間にて行われることになりました。19年10月1日からは20年9月30日の計算期間と、9月末決算へ変更となります。このため、19年9月期については、変則の6ヵ月の計算期間となります。法人の決算期末は9月末となり、申告期限は12月末までとなります。

 個人所得税については、1年間で183日以上の在緬者を法律上の居住者の定義としており、今回の6ヵ月計算期間の場合の取り扱いの法律は規定しておりません。所得税の計算方法は1年間の所得を基礎として、控除金額も決まっておりますので、申告期末の9月を迎えるにあたり、6ヵ月としての控除金額に変更されることが予想されています。今後、税務署の、正式な発表による取り扱いを確認する必要があります。


Global Think Consulting会計事務所 (ミャンマー)
Managing Director
瀬戸山洋介
日本国公認会計士。2013年よりミャンマーで業務を開始。タイの会計事務所、Accounting Porter Co., Ltd.パートナーを兼任。​ミ​ ャンマーで20年の業務経験を持つ天野利彦氏を顧問に迎え、さらにミャンマー事業に注力中。タイからのミャンマー視察ツアーを適時開催している。
setoyama@globalthink.jp
http://globalthink.jp


 順調に経済成長を遂げてきたベトナム経済の雲行きが怪しくなりつつある。ベトナム経済は、2009年にサムスン電子が第一工場を設立し、続いて14年に第二工場での携帯電話生産を本格化させた事をきっかけに、エレクトロニクス業界を中心に直接投資と輸出が急増。また、18年に本格化した米中問題の影響を受け、中国から生産・販売拠点をベトナムに移す企業が急増した事で、更なる外国直接投資増、貿易黒字、為替・外貨準備高の安定など、米中問題を追い風に受ける形で順調な経済成長を遂げてきた。しかし今年5月に米国19年上期「為替政策報告書」が公表され、為替操作国として警戒が必要な「監視対象国」にベトナムが加えられた。為替操作国の認定は、次の全てに該当する国が対象となる。(1)対米貿易黒字が年間200億米ドル以上、(2)経常黒字がGDP比で2%以上、(3)外貨買い為替介入を行い、その規模がGDPの2%以上かつ過去12ヵ月のうち6ヵ月間で実施されている。

 ベトナムは、(1)の基準を既に超えており、ドル買い介入の規模もGDPの1.7%と、基準(2)に抵触する直前だ。また、ベトナム中銀による為替市場への介入額はGDP比2.9%程度に達すると予想されている。為替操作国と認定された場合、中国同様に米国からの報復課税が課せられる可能性も考えられる。結果、ベトナム経済成長に水を差すことになり、周辺諸国への影響も無視できない。今後の米中問題と米国のベトナムに対する動きは要注目であると言える。


VJ Connection Co., LTD
財部 真奈美
商社、フォワーダー、証券、コンサル、人材紹介などの多岐にわたる分野での勤務経験を有し、各分野の進出相談に幅広く対応。2016年よりベトナムの日系コンサル会社で勤務した後、19年に独立。現在は、自身が代表を務めるコンサル会社で日系企業の海外進出を支援。各企業が抱える問題・課題を、ビジネス、市場傾向、管理・運営、規制、人材などの側面から多角的にアドバイスし、各企業の規模やペースに合った無理のない海外進出を支援。(所属先:VJ Connection Co., LTD(CEO)/Navigos Group(エンジャパンベトナム法人:シニアコンサルタント)/18年度・19年度ジェトロホーチミン事務所プラットフォームコーディネーター。慶應大学経済学部卒業。

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