もう悩まない!人材採用&育成のコツを解説 Vol. 1 タイ人事相談室|en world

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今月から隔月連載でお届けする、タイ人事コラム。
タイで日系企業への人材紹介に携わり6年の経験を持つ下川ゆう氏が、
タイでの人材採用や育成にお悩みの読者様へコツを解説します。
最初のテーマはズバリ、『タイ人材の特徴』について。
日本人との違いを知ることで、タイ人材との向き合い方が見えてきます。

タイ人材の特徴を知ることでつかめる面接のコツ

〜はじめに〜

これまで多くのタイ人と仕事をしてきましたが、何年経ってもタイ人と仕事をしていると驚きや悩みは尽きることなく訪れます。同僚をはじめ、人材紹介というビジネスに携わる者として感じてきた、〝タイ人と働くこと〞についてお話させていただくコラムになればと思います。

タイ人は日本人と似ている?

当然のことながら、同じ国で育った同じ人種でも、人ははそれぞれ異なります。気質や考え方の傾向という観点で見たとき、タイ人は日本人と似ているのでしょうか?それとも異なるのでしょうか?
これを読み解くため、「自己との関係」、「家族との関係」、「他者との関係」という3つの視点から、タイ人と日本人の相違点について考えてみたいと思います。初回となる今月は「自己との関係」についてです。

タイ人と日本人、それぞれの「自己との関係」

タイにいると、さまざまな場所でセルフィー(自撮り)をしている人を見かけます。レストランでもオフィスでも電車でも、タイ人は写真が大好き。タイで結婚式へ参加する度、主役の新郎新婦はそっちのけで、おしゃれをした自分自身の写真を撮ってSNSにアップする参列者を多く見かけます。仕事の場でもプライベートの場でも目にする、タイ人の徹底した自己への愛情や承認が、タイという国のエネルギーに繋がっているのではと思うほどです。
タイ人はあまり他人の目を気にせず、自分の気持ちに対してとても素直な生き方をしているなと感じる場面が多くあり、仕事上でも嫌なことがあれば我慢せず、次のチャンスを探します。周りも気にしていませんから、周りにどう思われるかなどは気にする必要がないのです。
一方で忍耐と反省を美徳とする文化がある日本では、責任感の強い人ほど、何か問題が起きたときは自責の念を持ち、また、集団で仕事をし協調性を重んじる日本人は、他人の目を気にする傾向にあります。

面接時、人材が持つ本質を引き出すには

これらの特徴から言えるのは、面接の場面でタイ人からアピールポイントを聞き出す際は、日本人とは異なるアプローチが必要ということです。
日本人の候補者に「自己アピールをしてください、長所を教えてください」とストレートに聞くと、回答に困り謙遜してアピールをしきれない人が多くいます。「あなたは上司や家族、同僚や友人など身近な人からどんな人だと思われていますか?」と聞くと「自慢」にならないので抵抗なくご自身のアピールポイントを引き出しやすいと思われます。
タイ人の候補者にはストレートに「自己アピールをしてください、長所を教えてください」と聞けば回答が返ってきます。しかし、実際には自分が本当にできること以上にアピールをしてしまうこともしばしばあるため、仕事上の組織構成や仕事の分担などを細かく聞き出し、本当に本人がやり遂げた実績なのか洗い出す必要があります。
(続きは9月号に掲載されます)

 

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下川 ゆう yu shimokawa
en world Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
日系チーム チーム・マネージャー
立教大学卒業。大手人材紹介会社の東京本社で経験後、2009年に来タイ。
以来、在タイ日系企業への人材紹介に従事。顧客企業の組織発展のための
採用支援を得意とし尽力している。

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