2015.09月号

もう悩まない!人材採用&育成のコツを解説 Vol. 2 タイ人事相談室|en world

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タイで日系企業への人材紹介に携わり6年の経験を持つ下川ゆう氏が、人材採用や育成にお悩みの読者様へコツを解説する本コラム。
連載第2回となる今月も、日本人との相違点から『タイ人材の特徴』に迫ります。
家族の結びつきが強いタイでは、転職も本人だけの問題ではないようです。

タイ人材の特徴を知ることでつかめる面接のコツ②

3ヵ月の産休で社会復帰する女性たち

タイ人と日本人は似ているのか、それとも異なるのか。前回の「自己との関係」に続き、今回は「家族との関係」という視点から両者の相違点を紐解いていきたいと思います。
タイに限らず、多くの東南アジア諸国において女性の社会進出は目覚しく、結婚や出産を経ても仕事を続け活躍しています。採用市場では男性よりも女性がより好まれるほど、東南アジアの女性は働き者です。
一方、日本では結婚時の退職や出産による長期産休・育休と、女性の採用は雇用企業側のリスクと考えられている傾向がまだあるように思います。このこともあってか、日本から新規進出でタイへ来られたお客様から、タイ人女性の雇用時における結婚や出産に関するリスクについて質問をお受けすることがあります。
日本の労働法同様、タイでも国が定める労働保護法に基づき、妊娠による解雇は認め大90日間、内有給休暇に当たるのは最低45日間と短く、多くの女性は出産予定日の前日まで仕事をこなし、3ヵ月間の短い産休を終えて仕事へ復帰しています。中には産休時の有給休暇のみ取得、つまり1ヵ月半ほどで仕事へ復帰する方もいます。
このようなタイ人女性の社会的活躍を実現させているのは、両親の支えのあるところが大きいと思われます。

タイ人女性の社会的活躍は家族の支えがあってこそ

タイでは結婚後も両親と同じエリアに住む、または同居しているケースも多く、別居の場合も週末は家族と過ごすのが当然というほど、両親との距離は近い印象です。
産休が終わると、子供は両親に預けて面倒を見てもらい、自分自身は仕事へ復帰。地方出身者の女性に関しては、平日は田舎に住む両親に子供を預けてバンコクや東部工業エリアで働き、週末だけ田舎に戻って家族と過ごすという方もいます。富裕層であれば住み込みのメイドを雇うなど、タイ人女性は各々の家庭事情に即して産休後も社会復帰できる環境を作っています。

家族の意思確認も必要?!

タイで転職支援をしていると、タイ人の家族、特に両親との距離の近さを感じる場面が多くあります。求職者が面接から最終選考を通過、採用オファーが出て入社を決定、本人がオファーレターにサインをした後 で、「家族(両親)に相談したら反対されたので辞退したい」との申し出てくることがあり、若い求職者に限らず、30代、40代になっても両親、家族への事前の相談は必須のようです。
我々コンサルタントは採用オファーが出たタイミングで、念のため「ご両親、ご家族に今回の転職を応援していただいていますか?」と確認します。必要であれば、即答せずに数日間、時間を置いて家族と相談したうえで返答するようお願いすることもしばしばです。本人が入社を決めた時に、「もう成人しているのだから、自分の仕事については親に承認を取らなくても自分で決めるだろう」という日本人の感覚でいると、オファーレターへのサイン後になって、入社してからでも「親の反対でオファーを辞退したい、仕事をやめたい」と言い始めるケースも多くあるため、事前確認を怠らぬようお勧めします。
(次回は11月号に掲載されます)

 

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下川 ゆう yu shimokawa
en world Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
日系チーム チーム・マネージャー
立教大学卒業。大手人材紹介会社の東京本社で経験後、2009年に来タイ。
以来、在タイ日系企業への人材紹介に従事。顧客企業の組織発展のための
採用支援を得意とし尽力している。

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