ArayZオリジナル特集

事業の国際化を推進させるグローバル企業の人材戦略

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経済成長著しいアセアン市場では競争が加速するなか、国を超えてビジネスチャンスを掴み、活躍できるグローバル人材の育成が急務となっている。

現地マネージャー、工場長といった幹部クラス人材の発掘と育成だけでなく、日本人従業員および日本本社を巻き込み、日系企業が真の国際化を進める方法とはー。
海外で生活する日本人は年々増加傾向にあり、なかでもアジア圏の滞在者数は全世界において4割を占める。特にアセアン各国は日系企業の進出が著しいことから、近年日本人の滞在者が大幅に増加している(図表1、2)。

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日系企業の海外進出と理想の企業モデル

日本・経済産業省が発表した「企業の人材マネジメントの国際化に関する調査(平成23年3月)」の日本企業の海外進出を事業所数を見ても、アジア圏での伸びは大きい。

1998年度から2008年度の10年間における日本企業の海外現地法人数をみると、北米では3002から2865と数値が微減。ヨーロッパでは2259から2613に微増と、市場が成熟した欧米諸国への進出は増減が緩い一方で、アジア圏での事業所数を見ると、6213から1万712と倍近い伸びをみせている。

また、同調査報告書内では日本企業の国際化のモチベーションを高めるツールとして効果的な日本企業に馴染みやすい段階的発展類型で、理想の『グローバル企業化モデル』を策定している(図表3)。

【タイプ0】

海外ビジネスを展開していない企業を想定。人材マネジメントの国際化指標を使う必要はない。なお、この原初的タイプでは、人事機能が人事手続処理や労務対策中心となり、経営戦略と切り離されている場合が多い。この状態のままでビジネスの国際化だけが急速に進行するリスクがある。

【タイプA】

輸出・輸入を行っている。その延長線上での海外拠点の配置を進めている状態の企業が対象になる。国内ビジネスの比率がまだ相当程度高いため、海外事業所の運営強化や海外ビジネスでの競争力強化のために人材マネジメントを変更するという強い動機を生むまでには至っていない。ただし、外国人採用や外国人を雇用している現地法人との交流が多くなり、従来の人材マネジメントの規範と制度では対応しきれない面が発生してきている。

【タイプB】

アジアへのビジネスシフトを明確に打ち出している。海外の事業所で広範なビジネス展開が企画実施されつつある。ただし、多くの海外事業所は、日本の統括会社と一対一の関係での調整がなされているマルチドメスティックな形態の組織運営を行っている。日本企業のユニークな文化を反映した組織運営や行動規範が意識されている。

【タイプC】

企業文化は国民性から離れ、エクセレントカンパニーを目指す。グローバルな視点からの最適な製品開発、製造、販売活動、人材獲得、資源配分が行われる。各地域に分散して配置された拠点間での技術や人材の交流が実施され、クロス・ソーシングを行うことが組織運営の重要な課題となる。

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