ビジネス・経済 2019.03月号

センコーGHD―東南ア物流網拡充

冷凍冷蔵食品の需要増に対応/滋賀の研修施設で「センコー流」伝授

センコーグループホールディングス(GHD)は、物流拠点の海外進出を加速させている。福田泰久社長は「これからは国際物流だ」と海外の物流需要に狙いを定める。国際関連の売上高を現状の250億円から2021年度に、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域を中心に700億円に引き上げる中期経営計画を推し進める。物流センターの開設や現地の人材育成に力を入れている。

 センコーGHDは北米や東アジア、ASEAN地域をメーンに、10ヵ国に60事業所を設けている。貨物利用運送事業者(フォワーダー)として輸出入の通関業務や開設した物流センターを拠点に、国ごとの荷物保管や配送を手がける。

 ASEAN地域では冷凍冷蔵食品の市場が拡大している。英国の調査会社のユーロモニターによると、10年度に89億ドルだったASEANのコールドチェーン市場規模は、15年度には約6割増の139億ドルに成長。20年度には211億ドルに伸びる見通し。屋台での食事や露店で食材を購入していた消費者の志向が、スーパーやコンビニエンスストアでの購入にシフトしているという。佐々木信郎取締役は「日本のように、ASEAN地域でも中食の需要が広がりつつある」と分析する。

 こうした市場の変化から、同社は冷凍冷蔵物流の強化を進める。その一翼を担うのが、14年に子会社化した冷凍冷蔵専門の物流会社のランテック(福岡市博多区)だ。18年3月にタイのMKレストランとランテックなどで合弁会社「M―SENKO Logistics」を設立し、MKレストランの物流業務を移管した。

 MKレストランはタイで600店舗以上を擁する大手外食チェーン。ドライバー約200人と冷凍冷蔵トラック約150台を保有する。19年夏ごろにはタイのバンコクで冷凍冷蔵専門の大型物流センターを完成させる予定。MKレストラン以外の食材など、外部の運送需要も取り込む。

 人材育成では、センコーGHD独自の物流研修施設「クレフィール湖東」(滋賀県東近江市)を活用し、国内外の社員に物流と交通安全の研修・教育を行っている。トラックの運転やリフトの操作など、これまで培ってきたノウハウを「センコー流」として根付かせ、国内と同等の品質を海外でも提供できる教育体制を整備している。

 現地での教育や人材の掘り起こしも進めている。中国では職業技術の専門学校と業務提携し、同社の役員や社員が物流教育の講座を受け持っている。ベトナムでは現地の大学の物流教育施設に、現場経験の豊富な指導員を派遣している。外国人労働者の就労支援として、ベトナムの首都・ハノイにある職業訓練校と提携し、ベトナム人の技能実習生の受け入れも計画中だ。

 今後はドイツやインドへの進出も視野に入れている。福田社長は「取引先企業が欧州圏の企業を買収しており、それと連携したい」と意欲を燃やす。

記事提供:日刊工業新聞(新庄 悠2019/2/13)


夏頃完成予定のタイ・バンコクの冷凍冷蔵物流センター(外観パース図)

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