中野陽介コラム

15【アート経済】「路上に絵を描く画家」イギリス / ロンドン

15【アート経済】「路上に絵を描く画家」イギリス / ロンドン

トラファルガー広場で、手や服を汚しながら黙々と地面に見事な描く彼らの姿を、人々は足を止めてじっと眺めていた。

「どれくらい働いていますか?」「週2-3日。ロンドンは気候がよくないから僕たちのパステルの絵にとっては良い環境とは言えないんだよ。」

「この絵って毎回消すの?」「毎回水と石鹸を使って消すよ。他の路上アーティストが描けなくなっちゃうから、敬意を払わないとね。」

「警察に注意されないの?」「このトラファルガー広場は、合法的に問題なく絵を描くことができる数少ない場所のひとつなんだよ」

「他に仕事はしてる?」「僕は具象画家とイラストレーターとして仕事をしたりしてて、今は漫画も描いてる。」

「なんでこの活動を始めたの?」「イタリアから移住してきた時英語もまともに喋れなかったし、僕たちが知っていることは絵を描くことだけだったからこの活動を始めた。これなら街の人たちと接点を持てると思ってね。」

「将来に対して不安とかある?」「たくさんあるさ。まーでも僕たちは夢を追いかけるけどね!」

「お金よりも大切なものってなに?」「僕たちが思っていることは、自分自身が大好きなことをすることと、自分が満足感を感じたり喜びを感じることをすること。」

「あなたにとって神様ってなに?」「神様は信じていないけど、自分の芸術を通してみんなや自分自身に対して大事なナニカを表現しなくてはいけないということは信じてる。」

The “EARTH” without “ART” is just “EH.” (地球から芸術を取ったらつまんないでしょ?)と書かれていた。Facebook: Mirko Serino’s Art, Cristina Forte Art.  Instagram: @mirkoserinoart, @cristinaforteart


中野陽介

芸術家。1987年福岡生まれ。07年渡米、Los Angeles City College卒業。数々の映画制作に参加後、芸術に目覚める。12年 渡タイ、バンコクで芸術家とサラリーマンの2足のわらじ生活を送る。16年に1年間で22ヵ国を巡る世界一周旅を敢行。自作の「芸術入門サイト」(art-geijutsu.com)は10万アクセス突破。作品や活動記録は下記サイト参照。
yosukenakano.com

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