中野陽介コラム

16【アート経済】「鳩を創る芸術家①」アメリカ / ニューヨーク

16【アート経済】「鳩を創る芸術家①」アメリカ / ニューヨーク

ユニオンスクエアで、鳩に餌を与える一人の女性が地面に座っていた。「なんか変だぞ?」…よく見ると、動いていない鳩がいる。本物の群れの中に、彼女が作った人形の鳩が混じっていたのだ。

動く鳩と動かない鳩。本物と偽物の鳩が共存する奇妙な光景は初めてだったので、驚いたままにシャッターを切った。通行人も足を止めている。キャリーケースを投げ銭の受け皿にしており、中には小銭とドル札がたくさん転がっていた。三つのメッセージボードにも自ずと目移りする。

「Donation for pictures and art appreciation(写真撮影と芸術への感謝のために寄付金をお願いします)」「自身のインスタグラムのアカウントとハッシュタグ」「実物大サイズ鳩$40/60。小サイズ鳩$25。ネズミ人形$80。ネックレス$20。現金、クレジットカード、venmo、paypal、squareで支払えます」

クレジットカードもpaypalも路上で使えるなんて、「ハイテクな路上ワーカーだな~」と感心しつつ、面白そうだったので話を聞いてみた。

(2月号に続く)


中野陽介

芸術家。1987年福岡生まれ。07年渡米、Los Angeles City College卒業。数々の映画制作に参加後、芸術に目覚める。12年 渡タイ、バンコクで芸術家とサラリーマンの2足のわらじ生活を送る。16年に1年間で22ヵ国を巡る世界一周旅を敢行。自作の「芸術入門サイト」(art-geijutsu.com)は10万アクセス突破。作品や活動記録は下記サイト参照。
yosukenakano.com

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