【連載第2回】藪本 雄登氏がアドバイス! カンボジア、ラオス、タイ三ヵ国法務比較

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カンボジア、ラオス、タイの外資規制「 第2回 カンボジア編」

タイからカンボジア(例えば、ポイペト地区への進出など)、タイからラオス(例えば、サワンナケートへの進出など)といった、いわゆる「タイ+1」進出が増加してきています。
本連載では、タイを中心に、カンボジアやラオスといったタイ+1諸国に関する法制度をご紹介します。

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カンボジアの外国投資関連法制度は、タイやラオスと比較して、極めて強く外国投資を奨励するように設計されています。外国法人は土地所有を除き、内国法人と差別なく扱われており、多くの分野で自由に投資することが可能です 。
カンボジアの外資規制については、「改正投資法施行のための政令NO.111」内の「投資禁止分野」、「ネガティブリスト」に基づいて、ネガティブリスト方式で外資規制が規定されています。通常、ネガティブリストには基本的に外国資本の投資が禁止される業種がまとめられており、当該リストに記載されていない業種については、外資企業は自由に投資ができると考えられていますしかしながら、カンボジアにおける「ネガティブリスト」とは、優遇措置不認可業種を意味しており、他国における「ネガティブリスト」の概念とは少し異なりますので、ご注意下さい。

<カンボジア 投資禁止分野>jbl mekong

 

実務上の留意点

カンボジアでは新規省令や通達などの施行などに伴い、一部、外資規制が認められる業種が確認されています。例えば、2013年に発行された労働職業訓練省令では、カンボジア人実習生の送り出し事業については外国人の持株比率は49%まででなければならないと規定されており、投資禁止分野やネガティブリストに記載されていない業種でも規制がなされているケースがあります。
また、その他実務上、外資の参入が実質的に規制されている分野もあり、進出の際には注意が必要です。さらに、現在時点においては自由に投資ができたとしても、上記の実習生事業のように、急に外資制限が課される可能性もあり得ます。進出前の法規制および進出展開後の法規制をしっかりとチェックされることが重要です。

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昨年6月には、プノンペンにイオンモールがオープンした

 

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JBL Mekong代表・藪本 雄登
カンボジアで数年間の実務経験を有し、ラオス提携事務所を往復しながら、新興メコン法務全般に従事。新興メコン地域の法務に関する知識と実務経験をもとに、メコン地域への進出戦略の策定、進出時のリーガルフォロー、紛争発生時の対応などを執り行う。
【主な著書・執筆実績】
『カンボジアで事業を興す』(キョーハンブックス、2014年6月)
『カンボジア進出・展開・撤退の実務』(同文舘出版、2014年4月)
『カンボジア会社設立マニュアル』(日系公的機関より受託)
『カンボジア労務マニュアル 第2改訂版』(日系公的機関より受託)
『ラオス労働法』(日系公的機関より受託)

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