聞きたくても聞けなかった、タイの税金事情

増資と借入のメリットとデメリット

聞きたくても聞けなかった、タイの税金事情

長引くコロナ禍により多くの企業が財務面での負担を強いられることになり、どのように資金調達を行えばよいのか、頭を悩ませているケースも少なくありません。

アフターコロナを見据えた財務計画の中で、「増資」もしくは「借入」のどちらの選択が最良な判断となるのか、それぞれのメリット、デメリットを解説していきます。

増資と借入のメリットとデメリット

タイで外資100%が可能な企業は選択肢が広がりますが、外国人事業法の適用を受けるBOI認可を持たない企業や商社業、サービス業などの企業は株主の過半数をタイ企業やタイ人が占める必要性があるため、規制に抵触しない形で資金調達を行わなければなりません。

そのため、外国人事業法の適用を受ける企業では借入の選択をせざるを得ないケースが多くなりますが、債務を株式化するデット・エクイティ・スワップ(DES)が現在タイでは認められていないため、負債を資本に振り替えることができません。

借入金の返済が難しくなった場合、日本側が債権放棄をするとタイ側では債務免除益が計上され、利益が発生して法人税が課される可能性があります。

長期的もしくは短期的な損益計算書への影響や通貨(為替リスク)など、複数の観点からメリット、デメリットを洗い出し、比較を行った上で資金調達計画を進めていくことが重要です。

中長期的な計画に基づき、メリット、デメリットを踏まえ増資か借入のどちらを選択するか、グループ企業全体にとってデメリットが発生しないような判断をいただければ幸いです。

寄稿者プロフィール
  • 坂田 竜一 プロフィール写真
  • J Glocal Accounting Co., Ltd.
    Managing Director坂田 竜一

    大学卒業後、証券化に特化した会計事務所勤務を経て2009年来タイ。大手日系会計事務所で5年間勤務し、日系金融機関ほか多くの日系企業の会計・税務・監査業務に従事する。2013年12月、J Glocal Accounting Co.,Ltd.を設立、タイと日本の会計・税務の専門家として日系企業へのサポートを行う。

  • JGA ロゴマーク
  • URL : www.jga.asia

    言葉、文化を超えてグローバル日系企業が本業に専念できる環境を提供します。

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