人事の課題を解決する方法、ここにあります。【第6回】タイ人材が伸びる会社をつくる4ヵ条

時代が変わり、業界の流れが変われば、必要な人材も採用の方法も変わる。
人材紹介で長年の実績と知見を持つ尾崎将範氏が、日系企業が抱える人事の課題を解決に導く。

みなさん、こんにちは。日系企業向け求人サイトJobsugoi.com代表の尾崎です。

日頃、お客様から採用のご相談をお受けしていますが、同時に日本人経営層、あるいは管理職の方からは「タイのスタッフを育てるのは難しい」「育ててもすぐに辞めてしまうので教育するのは諦めた」というお話もよく出てきます。もちろん、これもある意味では真実で、タイの離職率は20%程度と言われていますし、先々を考えながら準備をするのが苦手というのは、教育や文化からくる国民性と言えるかもしれません。

ただ、もし多くの人材が能力を高めながら長い期間働いてくれたとしたら、本当はそちらの方が理想ではないでしょうか?タイにおいて人材育成ということを考える時に、私が重要だと考えているのは下記の4点です。

①長期的ではなく、中・短期(数ヵ月レベル)で育成を考える

3年先にマネージャになってほしい、といってもそこまで先を想像をするのはちょっと難しいようです。そのため、3ヵ月サイクルの育成を12回繰り返す、あるいは、1ヵ月のプランを36回繰り返しても良いかもしれません。

②目標はあくまでも会社から与えかつ、プロセスにも会社が初めから関与する

「もしあなたが3年でマネージャになりたいとしたら、これとこれをクリアする必要があります。やりますか?」ときちんと聞いてコミットさせ、その為の方法は、本人に考えさせつつ、会社が積極的に関与をしてあげてください。これは、会社がきちんとあなたを見ていますよ、という姿勢を見せる意味もあり、また自分がやりたい方にいってしまうことを抑制する意味もあります。

③フィードバックは細かく、特にできた部分については積極的に褒める姿勢

本人が頑張ってやっているのに、見てくれていると感じないとモチベーションがどんどん下がっていくのは、万国共通です。特に、日本人は比較的褒めないと言われている人種なので、ぜひ積極的に褒めてみてください。目に見えてやる気がでてきます。逆に進捗が悪い場合は、怒らず励ますような感覚で軌道修正を図るのが良いと思います。

④育成プランにしたがって能力が向上した時の待遇・ポジション

すべてはここに集約されます。能力が向上し、仕事の成果が上がったら、給与やポジションできちんと評価をしてあげてください。
以上に気を付けるだけで、離職率を一桁パーセント前半まで落としている企業も多くあります。タイ人・日本人が力を合わせ、みんなで成長しながら利益を伸ばすのが理想の形です。一緒にがんばりましょう!


代表取締役CEO/博士(教育工学)、MBA(人事・組織戦略)
尾崎将範
グローバルリサーチ社にて人材コンサルタント・ヘッドハンターとして18年の経験を持つ。東南アジア全域での展開を見据え、2014年にJobsugoi.comを設立。

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