ArayZオリジナル特集

疲れと不安を新年に持ち越さない からだメンテナンス塾

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仕事にゴルフに接待と1年間鞭打って動かした体の疲れ、そして健康への不安は新年に持ち越さず、今年のうちに解消!
働き盛りのArayZ 読者世代に、からだのメンテナンスに向き合ってもらうための健康特集。

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手遅れになる前に! 年に1度の健康状態チェック!

加齢に伴い気になる内蔵の疲れやストレスが引き起こす疾患とその予防方法について、サミティヴェート病院の堀川 真由香先生に伺った。

日本以上にゴルフ・宴席など、公私共に付き合いが多くなりがちなタイ。異国の地でのビジネストラブルや長距離移動、栄養バランスの偏った食事で、心身共に疲れきっていないだろうか?特に内蔵の病気には自覚症状が出ないものもあり、日々の生活習慣改善と、年に一度の検査が重要だ。
年間約4000人の日本人が人間ドックへ訪れるというサミティヴェート病院スクムビット健康診断センターでは、堀川真由香先生が問診を担当してくれる。血液、尿、X線、超音波検査といったベーシックな検診を行う「一般ドック」、胃カメラ検査を含む「胃ドッ
ク」のほか、「男性ドック」「女性ドック」が用意されており、男女それぞれの体に合わせた検査を行っている。

男性の疾患

働き盛り世代の男性が気に掛けたい検査項目としてまず堀川医師が挙げたのが、血液検査の血糖値、血圧、血中脂肪、尿酸値だ。
「これらの検査項目で異常値が出た方は、不規則な食生活や運動不足、アルコールの摂り過ぎなどを見直す必要があります。必要に応じて、専門医をご紹介します。年一回、健康診断で値の推移を確認することで将来の糖尿病、痛風、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞を今から防いでいきましょう。
血液検査では腫瘍マーカーによる大腸がん、肝臓がん、前立腺がんチェックもできます。
ご存知の通り、がんは早期での発見が重要です。胸部レントゲン検査から肺がんの可能性が見つかることもあります」。
ストレスが要因になり得る疾患の代表例としては胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎が挙がった。こちらで受診する人で、胃カメラの所見がないというケースはほとんどいないのだとか。
「特にストレスが多い方、食事の時間帯がバラバラという方はこれらの疾患に注意が必要です。胃カメラの良い点は、食道から胃まで通して内側から観察できることです。日本の健康診断でお馴染みのバリウムは食道・胃・十二指腸を検査しますが、外側から撮影するレントゲン画像であるため、内側からみる胃カメラの方がより確実です。がんを誘発するウイルスとして知られるピロリ菌を見つけることもできますし、検査中にポリープなどが見つかった場合はその場で処置ができます」。
胃カメラ検査は医師と一緒に画面を確認できる『のど麻酔』と、眠っている間に検査を済ませる『鎮静剤』、2タイプの検査方法から選ぶことができる。この胃カメラ検査を含む「胃ドック」は先に血液検査やレントゲン検査という流れ。長くても半日あれば終えることができる。

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胃カメラ検査室は画像が見やすいよう、また患者が安心できるように室内灯はブルーに設定

生活習慣病の予防方法

わかったところで知りたいのが、その予防方法。鍵を握るのはやはり食事管理と運動だ。
「脂質異常症(高脂血症)の方は、野菜や魚中心の食事を心がけてください。肉類も脂
分に気をつければ問題はありません。イカやエビ、カニ、卵の黄身はコレステロールが
高めなので少量に控え、調理方法でも油を多く使う炒め物や揚げ物ではなく、煮物を選
ぶようにしてください。タイ料理であれば野菜の入ったスープ類がお勧めですね。また、
尿酸値の高い方はアルコール量を減らし、休肝日を設けること。また、ビール、えびや
レバーなどに多く含まれるプリン体摂取量が400mg を超えないようにすることも重要です。
運動は泳ぐ、走るなどの有酸素運動が効果的です。普段、運動といえばゴルフくらいという方は職場での移動をエレベーターでなく階段に代える、近距離は歩くようにするといった工夫をしてみるのが良いでしょう」。

女性の疾患

同院の「一般ドック」「男性ドック」 「女性ドック」では、受診の推奨年齢が〜39歳
の“Active”と、40歳以上の“Advance”の2種類に分かれている。「一般ドック」と「男性ドック」では“Advance”に負荷心電図や下腹部超音波が。「女性ドック」の“Lady Active”で子宮頸がんの検査が、“Lady Advance”ではさらに乳がんの検査が含まれる。
「マンモグラム+乳房超音波の画像検査は35〜40歳以上の方が対象ですが、血縁に乳がんの方がいらっしゃる場合は、対象よりも若い年齢でも受診されるのが安心でしょう。子
宮頸がん検査も年に一度受診しておくことで、がんの早期発見の確率が高くなります」。

タイで気をつけておきたい疾病

「主にバンコク市内で生活される方にはA型・B型肝炎の予防接種をお勧めします。破傷風は日本、タイに限らず世界中で接種が推奨されていますが、幼少時に定期接種をした方でも、成人してから10年ごとに追加接種をする必要があることをご存知の方が少ないようです。発症すると致死率が極めて高いので忘れずに追加接種をしましょう。日本脳炎は、蚊が媒介しますので蚊の多い田園地方などに一ヶ月以上滞在する方は接種が勧められます。また、狂犬病は、ワクチンをあらかじめ接種していても動物に咬まれた場合には暴露後ワクチンの接種をしてください。なお、タイへ移住される前に日本で済ませている方も多いですが、接種は複数回に分けて受けなければならず、追加接種がまだの方は忘れずに終了させてください。但し、日本国産ワクチンと海外で流通しているブランドは接種量と間隔が異なりますので、タイに移られてから予防接種をスタートする方が良いかもしれません。6ヵ月ほど期間を見ておけば、大体の接種は終わらせることができます」。

arayz日本語併記の検査レポートは後日郵送で

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サミティヴェート病院スクムビット
堀川 真由香医師

病院情報
SAMITIVEJ SUKHUMVIT HOSPITAL
133 Sukhumvit 49, Klongtan Nua,
Vadhana, Bangkok 10110
02-711-8334(予約)

 

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痛みと歪みは根本から治療・体幹

デスクでのパソコン作業やスマートフォン操作で固まった首、肩。そしてゴルフ腰痛。痛みの原因と予防法について、J-CLINICの菅谷卓広院長と佐藤康太代表に伺った。

近所のマッサージ屋さんで「とりあえず」対処しては、またあっという間にぶり返す首・肩・腰の痛みと、その原因でもある骨の歪み。日本の整体技術と世界の医学的根拠のある治療、伝統医学を融合させた治療法で、在住日本人に定評のあるJ-CLINIC の菅谷院長と佐藤代表は、「姿勢の悪さや左右の歪みからくる痛みは、痛いところだけ治療しても根本的な治療にならないためにぶり返してしまうのです」と話す。

なぜ痛む?

痛みの原因は、骨や関節に負担の大きい動作や生活習慣が大きく関連する。
「骨も関節も消耗するものですが、周辺の筋肉や靭帯は、量を増やしたり鍛えることができます。筋肉と靭帯には、使いすぎによる負担も、使わなすぎることによる退化もマイナスになります。姿勢の良し悪しも筋肉のバランスを悪くする原因です。パソコンに向かって仕事をするとき、首を突き出して背中を丸めた姿勢になっていませんか?このような姿勢でいる方は常に背中の筋肉を使い、胸の筋肉が弱くなっているため、筋肉の前後バランスの悪さから肩や腰が痛くなってしまうのです。また怪我の痛みをかばう、足を組むなどの動作が定着すると、体は簡単に歪んでしまいます。体を左右均等に使えないため、当然肩や腰の左右どちらかに負担がかかり、痛みを生じます。姿勢の悪さと左右の歪みは、胴体の支えとなる『体幹』の前後・左右バランスが取れていないということで、繋がる膝など手脚にまで影響を及ぼします」。

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デスクでこんな姿勢になっていないだろうか?

痛みの引き金、トリガーポイント

コリが慢性化して張った筋肉の繊維にできる豆粒のようなしこり、「トリガーポイント」が神経を刺激することで、全く別の場所で起こる痛みがある。
「肩や背中で、揉んでもらって『痛気持ちいい』のはある程度のマッサージでほぐすことのできる状態の、筋肉の繊維のコリです。トリガーポイントはさらに硬くなった筋肉の中に点々とできたもので、さわるとコリコリしています。
トリガーポイント自体にも痛みがあるのですが、周辺の神経を刺激するため、特に痛めていないところまで四六時中痛くなってしまいます。肩コリを放っておいたら指先にしびれが出た…などの症状がこの例に当たります。しかしこのトリガーポイントは退治することも、作らないよう注意することもできるのです」。

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トリガーポイントが無関係の場所に痛みを連鎖させる

痛む場所の違いとその種類

痛みについて、もう少し迫ってみよう。痛みの起きる場所は、その性質によっておおまかに分類できるそうだ。まず姿勢の悪さと歪みのために起こる、首、腕の付け根、腰に出る急性の痛み。首の寝違えやギックリ腰などがこれに当たる。そしてスポーツや使いすぎが原因で起きる痛みで、捻挫、腱鞘炎などがこれに当たる。

痛みから解放される体になる

痛みを起こさない体になるための第一歩として、菅谷院長は「正しい姿勢を意識せずにとれるようになること」が重要だと話す。
「時間はかかっても、根気よく正しい姿勢をクセ付けするのが最善の方法です。そのためには左右バランスのよい体幹(インナーマッスル)をつくり、余計な負担を筋肉にかけないこと。そして関節の弱さを補強し、体幹を維持するアウターマッスルを鍛えること。ス
トレッチで筋肉をやわらかく保つことも重要です」。
重度の痛みを伴う場合は、原因を特定し、必要な箇所に適切な治療を行う必要がある。
そのために同クリニックでは問診・検査にしっかりと時間をかけ、首から腰にかけてモアレグラフィーと呼ばれる体の表面の凹凸を地図の等高線のように写し出す写真を撮影、バランスや癖、筋肉のこわばりを確認する。ここから筋肉の緊張をゆるめる電気治療、こわばりをほぐすマッサージ、トリガーポイントの発見と退治、整体などの治療を進めていく。通院しても筋肉部位の治療では効果が感じられない場合は、セカンドオピニオンとしてサミティヴェート病院の整形外科への紹介状を書いてもらうことも可能だ。
「私たちは患者さんと症状を共有し、一緒に治療を進めていきたいと考えています。筋肉をほぐし、痛みの元を退治し、体の歪みを解消すれば体幹が整い、自然治癒力は自然と高まります。しかし姿勢が悪いとまた同じところが痛み出しますので、まずは通院でしっかりと治していただき、ご自宅や職場でできるトレーニングやストレッチも指導したいと思います」。

 

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J-CLINIC 院長 菅谷卓広氏

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J-CLINIC 代表 佐藤康太氏

病院情報
J-CLINIC トンロー院
トンロー・ソイ13
Home Place B1階
02-185-3433(予約制)
J-CLINIC プロンポン院
スクンビット・ソイ31
RSU タワー4階
02-262-0831(予約制)

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