【連載第12回】LAMTIP PARTNERSの簡単!タイでの“かいけい” 会社設立に関する経理トラブル

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会社設立に関する経理トラブル

会社設立のことをタイ語で 「ガーンゴータン(設立)・ボリサット(会社)」といいます。前回の①タイ語の表記の誤り、②決算期の設定がいつの間にか12月にされていた、③設立前費用に対するトラブル―に引き続き、トラブル事例をいくつかご紹介します。

④優先株式の設定がなされていなかった

配当優先権の付与や議決権の制限を設けるため、優先株式の設定をする会社もありますが、設立コンサルタントに優先株式の設定依頼をしていたにも関わらず、実際に弊社にて確認したところ普通株式にて設定されていたというケースがありました。普通株式から優先株式の変更は一切認められておらず、結局のところまた新たに法人を設立することに…。また、優先株式の権利の内容についても、発行後はその内容の変更ができませんので、十分に検討および確認が必要です。
重要な案件なので遠慮せず、設立登記する前に依頼しているコンサルタントに定款の内容を見せてもらい、第三者に確認してもらうことも良いかと思います。

⑤資本金が500万バーツを超えて登記されたため、法人税の中小企業の特例計算が使用できなかった

もともとの投資金額約500万バーツが、設立前に上積みされ600万バーツの資本金として登記を行ったために、法人税の特例計算が使用できなかったというケースです。資本金は、資本金自体の考えた方や投資家・親会社の意向にもよりますが、仮に500万バーツであれば法人税が少しでも少なくなるとがわかっていれば、登記上の資本金を500万バーツとし、残り100万バーツは親会社からの借入金という選択もできたということに
もなります(特例の適用をするには売上が3000万バーツ以下という条件もあります)。

⑥実際に資本金の払い込みが終わっていないのに株主名簿(BOJ5)には100%の払込とされていた

タイでは資本金の分割払込制度が採用されているのですが、最初の払込は額面の100分の25以上(25%以上)でよいとされています。そのため、設立時には実際には25%しか払込み(資金準備)をしていない場合もあるのですが、その事実と関係なくコンサルタント側で100%の払込み済として株主リストに登記されていたというケースです。
当然、残りの75%は資金(現預金)がないため、バランスシート上問題が出ることになります。結果的に認定利息の計上を指摘されるなど要らぬ税金を負担することになります。

 

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⑦株主名簿に最初の発起人の名前が残ったままになっている

タイの会社設立時において、発起人(3名以上)は必ず1株以上引き受ける必要があるのですが、その発起人を便宜上、コンサルタント会社のスタッフ名義にて設定していることがあります。
通常は設立後すみやかに、その株についてはしかるべき株主に譲渡され、株主リストも変更することになるのですが、そのままの状態になっていることが多く見受けられます。そもそもこのような制度であるという説明もなく、いつの間にか、全く知らない見ず知らずのタイ人が株主になり続けていることもあります。一度、確認してみるのもよいと思われ
ます。
設立時においてはコンサルタント側の都合上の理由だけで、発起人や取締役、株主まで全てタイ人スタッフ名義にて登記されることがあります。しかしながら、自分の会社を自らの子供のように考えた場合、最初の設立登記の書類が全て知らない名前という(設立時の書類は当然ながら変更できない)のは、少し違和感を覚えます。会社の設立とはいえど、子供の誕生と同じく愛情を持って設立準備をすることで記載したトラブルは少しでも無くなるのではないかと思います。
※弊社は、設立支援も行っておりますのでご相談下さい。

 

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文 : 岩倉弘貴
Managing Director

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