生産、物流現場カイゼンの 知恵を学ぶ

vol.2 本来のホウ・レン・ソウ

一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会バンコク支店の門脇です。今回は「ホウ・レン・ソウ」に関してご紹介します。

報告・連絡・相談の頭を取って「報連相」=ホウ・レン・ソウになっているのは、皆さんご存知かと思います。じつはこれ、トヨタ用語ではありません。「シングル段取り」「なぜなぜ5回」「見える化」など有名なトヨタ用語はたくさんありますが、ホウ・レン・ソウは違うのです。

では、だれが作った用語かと言いますと、東京のとある証券会社の社長がバブル前の1980年代前半に社内キャンペーンで名づけたそうです。

では、みなさんはこのホウ・レン・ソウを普段、どのように考えて部下に使わせていますか?

読者の皆様の多くがタイで何らかの管理者であったり、部下をお持ちの方かと思います。その部下には日本人もいれば、現地の方もいるなど様々です。

現場からは「私の部下はホウ・レン・ソウがまったくわかっていない…」であるとか、「報告もないから、こっちが聞かないと何をしているかまったくわからないんです。どうやって躾をしたらいいですか?」という相談をよくうけます。

実はほとんどの管理者の方たちは、このホウ・レン・ソウは部下を躾するひとつのツールと考えています。

しかし本来は、管理者がイヤな情報、喜ばしくないデータを遠ざけず、問題を積極的にカイゼンしていくことで、末端の社員やパートでも、だれでも容易に報告・連絡・相談ができる風通しの良い組織を作るために行うことが目的と定義されています。これは提唱者である証券会社の社長が言われていることです。

悪い報告は出来るだけ報告せずに隠したがるのが人の性。それをさせないように「風通しの良い組織をつくりましょう」というのがホウ・レン・ソウの本来の目的です。

ホウ・レン・ソウは部下を躾するツールではなく、管理者の皆さんが常にやらなければならない、風通しの良い組織作りの一環なのです。

風通しの良い組織とはどんな組織なのか?どうやったらつくることができるのか?など、お悩みがあればいつでもご相談ください。もちろん無料で24時間365日受け付けております。また、部下の教育に悩んでいる方、自分が忙しくて教育に時間を割けない方も是非ご相談ください。

今月はここまでです。ご意見やご感想をいただけると、とても励みになります。お待ちしております。

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当研究会では、無料現場診断を毎月3社限定で実施しております。
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一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会
現場カイゼン診断士 門脇 圭
タイ、中国、マレーシア等在外合計26年、1,600社超の生産・物流現場のカイゼン処方箋を提供。カイゼン事例多数。2003年に生産、物流現場カイゼン研究会(a-Sol上海)を設立し、その後、香港、東京に拠点を拡大する。13年には一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会を設立し理事長に就任。15年にa-Sol Thailandを設立。その後、タイCPグループのPanyapiwat Institute of Management大学にて現場カイゼンに関する講義を実施など活動を広げ、現在は芝浦工業大学の特別講師も就任。

当研究会は「現場」で様々な問題を抱えている皆さんに「現場カイゼンシステム」を使っての問題解決や、トヨタ生産方式(TPS)を活用するカイゼニストとの「現場カイゼン活動」を通じて問題を解決することが仕事です。

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