ビジネス・経済 2017.02月号

知的財産経営in東南アジア 「下町ロケット」のあのシーン、会社で起こったらどうしますか?【最終回】|Masuvalley

東南アジアの、今後の知的財産権制度は今後どうなる?

東南アジアではずっと、知的財産権制度そのものを統合しようという話し合いをしてきました。考えてみてください。もし、1つの手続で東南アジアのすべてで会社や製品の名前が登録できたり、ハイテク技術の特許が取得できたりしたら、楽で良いですよね!それぞれの国で誰かに頼まなくとも良いので、手間もお金も節約できます。

ヨーロッパでは、このような知的財産権制度の統一化が進んでいます。知的財産権制度の強化は、一般的に先進国に有利で、後進国には不利な結果になると言われています。各国の経済規模は異なれど、経済レベルはそれほど離れていないヨーロッパに比べ、東南アジアは一言では括れないほど経済のレベルが異なります。

例えば、先進国のシンガポールは国を挙げて知財立国に動こうと数年前から活動していますが、まだまだ後進国のカンボジア、ミャンマーなどこれから工業化が始まる国では、国内産業を保護するために、外国企業や外国個人が権利を取得することに関して積極的ではありません。一方で後進国ではないけれども先進国にはなかなかなれないタイ、マレーシア、さらにベトナム、インドネシアでは、シンガポールほどではありませんが、知的財産権制度の強化には肯定的です。

東南アジアの知的財産権制度が統合されるのは、時間が経って経済レベルが均一になってからでないと難しい、というのが本当のところのようです。そのため、各国ごとの制度に応じた権利の取得を今後も続けていかなければなりません。

他方、東南アジア各国の政府系機関で協力しようとする仕組み(ASPEC : ASEAN Patent Examination Co-operation)は2009年6月よりス タートし、2012年4月には制度改正があって、今のところうまく進んでいます。このASPECがさらに発展すれば、将来はヨーロッパのように知的財産権制度の統一が実現するかもしれませんね。

全12回にわたり、下町ロケットを題材に東南アジアで起こっている知的財産権問題について話してきました。過去、日本企業は知的財産権の使い方が適切でない場合があり、それまで持っていた主要なマーケットのいくつかを外国企業に奪われてしまいました。国際市場での立場は現在も厳しいですが、東南アジアでは日本企業の優位性をしっかりと維持していけるよう、今までとは違う知的財産権の取り方、使い方が必要とされています。


執筆者:舛谷威志
東南アジア、日本、アメリカ、中国に拠点を持つMasuvalley and Partnerのオーナー兼パートナー。2004年にアメリカで起業した後、多国間にまたがる技術法務の現地事務所を各国に設立。現在、弁護士・弁理士は、日本人5名、アメリカ人5名、中国人・タイ人合わせて5名の、合計15名が所属。

東南アジアでは、日本製品の物マネが横行しています!

ニセ物被害を防ぐには、知的財産権を取得する必要があります。知的財産権を取得することで、お店・商品の名前、サービスの方法、商品の形状、技術の内容を、長期の間、その国であなただけが独占することができます(国ごとに権利が発生しますので、国ごとの申請が必要です)。我々は、ワンストップですべての国へ知的財産の申請が可能です。


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