法務・会計・税務 2017.02月号

【連載第36回】但野和博のコンサルコラムサポート実録記

事例別に紹介する新シリーズがスタート!
個人所得税編(1) 「コムファイ社の場合(前編)」

~この時期、タイで働く全ての人に関係するであろう旬なトピックと言えば「個人所得税の申告」である。今回からは、当社が主に日本人駐在員の方を対象に、毎年何十人とコンスタントに対応してきた事例を踏まえて、クライアント別に紹介する。~
なお、本事例のコムファイ社は駐在員1名、スタッフ規模6名程度の規模の製造アセンブリ業である。

「川外さん、年末の帰省時に本社へ寄るのであれば、ついでに源泉徴収票をもらってきてください。今年は赴任の初年度なので、赴任する前までのものと赴任後の12月31日分までの2種類、発行してもらってくださいね」。
コムファイ社の川外さんにそう伝えると、「えっ!?何です、その源泉徴収票って?」と返された。

「年末調整のときに会社が出してくれる、1年分の所得などが記載されているものです。川外さんはタイに赴任しているので、タイの居住者になります。そうなるとタイで個人所得税を申告納付することになりますので、その申告書作成に必要なのです」。

日本では会社任せで年末調整もしてくれていたし、副業で稼いでいるという人でもなければ普通は自分で確定申告もしたことがない人がほとんどだ。なのでまず、タイでは確定申告書の申告納付が義務だということから案内している。

年明け後、川外さんから受け取った2枚の源泉徴収票からは、両方とも源泉が引かれていた。本来であれば赴任後は日本側で源泉控除を取らないはずなのだ。恐らく本社の方も海外事業にあまり慣れていないのだろう。
こちらから直接本社の担当者と話したい旨を川外さんに伝えると、町樹さんを紹介された。

「本社内というよりは、税理士の猿山先生に依頼している内容なのでちょっと聞いてみます」。
そう言って町樹さんを間に挟み、今度はいわゆる町の税理士と調整することになった。海外進出してまだ間もない中小企業によくある展開である。
結局は、源泉徴収票自体を猿山先生から頂戴することになり、それを元に川外さんの納税額を算出してご案内したところ、そこには思わずのけぞる川外さんの姿が…。
(次回に続く)

※クライアント様の匿名性を保つために社名・人名等をはじめ、事実から離れすぎない程度の内容の変更等、脚色部分があります。


Accounting Porter Co., Ltd.
代表者 : 但野和博
所在地 : 24 Prime Building, 12th Fl., Room No.A, Sukhumvit 21 Road (Asoke), Klongtoey-Nua, Wattana, Bangkok 10110
電話番号 : 02-661-7697
事業内容 : 記帳代行、経理コンサル、進出支援等、 顧客企業の事業の発展に寄与するサービス業
提携先 : 愛宕山総合会計事務所 /
日本 (代表:日本国公認会計士相川聡志)
E-mail : kazuhiro.tadano@aporter.co.th
http://aporter.co.th/


但野和博
2012年5月タイ・バンコクにて、Accounting Porter Co., Ltd.を設立。日系企業の進出サポート及び経理を中心としたバックオフィスサポートを提供するサービス業として、同社を運営中。
日本での上場事業会社2社通算6年のCFO経験を活かし、日本本社部門との直接の対応を含み、現場では管理部門の立て直しを含めた相談にも対応している。
本コラムでは、タイの経理現場で起きていることを中心に具体的なサポート実例を交えて執筆中。

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