2020.09月号

日刊工業新聞

新型コロナ “第2波”念頭 メガサプライヤー各社、安全確保

日刊工業新聞

新しい働き方 柔軟に対応

日本国内に展開するメガサプライヤー各社が新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い、工場やオフィスでニューノーマル(新常態)を意識した働き方を取り入れ始めている。グローバルで定めたガイドラインに基づき、従業員の感染症対策を進める。第2波が懸念される中、従業員の安全を確保しながら自動車部品の供給責任を果たす。(松崎裕)
メガサプライヤーはグローバルで定めたガイドラインに基づきコロナ禍に対応した働き方を導入(イメージ)
▲ メガサプライヤーはグローバルで定めたガイドラインに基づきコロナ禍に対応した働き方を導入(イメージ)

 仏フォルシアの日本法人、フォルシア・ジャパン(横浜市神奈川区)は、グループのクラリオンとともに日本での感染症対策を進める。緊急事態宣言に伴いクラリオンは原則、在宅勤務対応としていた。解除後は在宅勤務を推奨とし、当面この運用を継続する。間接部門だけでなく研究開発部門も在宅勤務となる。実験などオフィスでの業務が必要な場合は、業務に支障が出ないようにローテーションを組んで通勤するなど、オフィス内での密集を避ける工夫を凝らす。

 ガイドラインの厳密な規定を順守しつつも、日本の法令や方針など個別の事情に合わせた運用ができ、業務に支障が出ることは少ないようだ。

 仏ヴァレオの日本法人、ヴァレオジャパン(東京都渋谷区)も仏本社のガイドラインに従い、統一したルールで感染症対策を進めてきた。オフィスの来訪者に健康状態を確認する問診票の記入を依頼したり、従業員自身の検温も義務付けたりしている。工場や食堂、会議室などでソーシャルディスタンスの確保にも配慮する。椅子の置き方ひとつにしても細かい規定がある。

 感染症対策のガイドラインは、各国の事情に合わせ運用している。ガイドラインの運用が難しい場合は、本社に許可を取ることで現地の実情に合わせた対策も可能で一定の柔軟性を確保。従業員の健康を最優先し、取引先の方針に対応できるようにしている。

 ガイドラインを活用する利点は、対応のスピードと情報共有にある。独ボッシュの日本法人、ボッシュ(東京都渋谷区)は、独本社のガイドラインに基づき、日本独自の感染症対策の方針を即座に定め運用してきた。従業員へのマスク支給や会議や研修、食堂での3密の防止、国内外の出張は可能な限り減らしオンラインでの会議を標準とした。

 感染が最も深刻だった時期には従業員約6,700人に対し、最大で約3,000人が在宅勤務できる仕組みを構築した。8月からは在宅勤務の条件を月間所定労働時間の25%から50%まで引き上げる。クラウス・メーダー社長は「日本においても従業員の感染防止に向け初期の段階から最高水準の感染対策を取り入れてきた。ニューノーマルでも残す」と今後の働き方についての姿勢を示した。

 国内では政府の緊急事態宣言が解除されるものの、感染拡大の第2波、第3波への懸念もくすぶる。在宅勤務の拡充や職場でのソーシャルディスタンスの確保など、従業員の安全を第一に顧客対応を進め、ニューノーマルでの新しい働き方を進めている。

※記事提供:日刊工業新聞(2020/07/28)

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