ASEANビジネス法務 最新アップデート

ラオスにおける企業登録手続きの変更に関して

1.背景・経緯
 2019年の世界銀行の発表によると、ラオスの「ビジネスのしやすさインデックス」ランキングは190ヵ国中154位(昨年141位)に位置しています。政府は、本ランクが低迷していることを問題視し、改善に向けての第一歩を踏み出しました。
今回は、2019年2月1日より施行している最新の企業登録申請手続きの内容をご紹介いたします。

2.「企業登録に関する合意(No.0023/MOIC.ERA)」 (以下、「企業登録合意」)における企業登録、事業及び投資許可申請手続き

3.企業登録時の審査項目の削減
 これまでは、当局の恣意的な運用により、企業登録時に必要以上に多くの書類の提出を求められる場合が多く、このことが会社設立の負担となっていました。今回の企業登録合意の施行により、関連当局は、会社名、登録資本金、株主情報、事務所住所、電話番号(一時的な連絡先でも可)、事業活動内容のみを審査するべきことが明らかにされ、規定された書類以外を要求することが禁止されました。このように、企業登録にかかる時間及び費用が短縮され、煩雑な手続きが改善されることを今後期待しています。

¹前月号の同コラムにおいて、「ネガティブリスト事業内の事業は、計画投資省管轄のワンストップサービスで企業登録申請をすることが規定されました」と記載しましたが、その後、投資計画省及び商工省で再確認した結果、ネガティブリスト内の事業であっても商工省管轄の事務局で企業登録を行うとの回答を得ました。
²「事業許可証を発行する必要がある商工業関連事業の承認に関する合意(No.0044)(2019年1月18日)」が発行され、事業許可証が必要な事業が、①加工業、手工業 ②国内商業 ③輸出入業の3つのカテゴリー別にリスト化されました。なお、商工省管轄以外の事業に関しては、関連省庁に適時確認する必要があります。
³コンセッション事業とは、政府との契約に基づき、農業、土地コンセッション、SEZ開発、鉱山開発、電力エネルギー開発、航空業、通信事業、官民連携事業等の開発の権利が与えられる事業を意味します。
⁴2019年1月10日付「ネガティブ事業及びコンセッション事業リストの承認に関する首相令(No03/PM)」が発布され、14分野44業種のネガティブ事業、7分野23業種のコンセッション事業がリストに掲げられています。


内野里美
One Asia Lawyersラオス事務所に駐在。ラオス国内で10年以上の実務経験を有する。ネイティブレベルのラオス語を駆使し、現地弁護士と協働して各種法律調査や進出日系企業に対して各種法的なサポートを行う。

 

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