2020.09月号

ASEANビジネス法務 最新アップデート

ラオスのPPP法草案の概要について(第2回)

ASIAビジネス法務 最新アップデート

 8月号ではラオスにおけるPPP(官民連携)法草案の背景や概要、その重要性をお伝えしました。今回は具体的な内容をご紹介します。

 これまでは政府入札等について明確なルールがなく、不公正な入札手続き等により発注者やパートナーが決定されるようなことが頻発しておりました。PPP法草案においては、今まで不明確であったPPPプロジェクトの実施プロセスや手続き等について明示されています。

 ラオスへのインフラプロジェクトやインフラ輸出に関わる事業者は、特に注視する必要があります。

1. PPPの定義

 投資奨励法、コンセッション事業リスト及び現在草案中のPPP法の中では、PPP事業を「事業価値のある新規建設プロジェクト、インフラ整備、公共サービス関連事業」と定義しているのみです。現時点で、他国において定められているような特定業種や分野、必要資本額等は特段規定されていません。

2. PPPの準備、検討及び入札

 草案によれば、PPPプロジェクトの初期提案書の提出から入札までの流れは右図の通り定められており、原則としてこの流れに沿って行われる必要があります。

3. PPP契約書とその内容

 草案によれば、PPP契約書の基本的な記載事項はプロジェクトの範囲及び業務内容、契約当事者と事業主体者の責任、各当事者のプロジェクトのリスクに対する責任等18項目の記載が義務付けられています。

 今までは、大きな資金を投下するにも関わらず、非常に簡単な契約となっていたケースも散見されており、記載事項が明記されたのは重要なポイントです。

4. PPP契約締結のプロセス

 契約内容が固まった後、契約締結までの大まかな手順は草案上において、以下の通り行う必要があると定められています。

(1)各県及びヴィエンチャン都の計画投資課は、政府及び地方自治から契約締結の許可を取得
(2)民間セクターが契約締結の許可通知を受理後、15日以内にPPP会社(※1)設立申請
(3)契約締結が許可された後、30日以内に署名式を行う

※1 PPP事業を実施するためにラオスの法令に則って入札で選定された法人又は法人グループにより設立された会社

PPPプロジェクトの初期提案書の提出から入札までの流れ

寄稿者プロフィール
  • 藪本 雄登 プロフィール写真
  • 藪本 雄登

    One Asia Lawyersの前身となるJBL Mekongグループを2010年に設立、メコン地域流域諸国を統括。カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー、ベトナムで延べ10年間に亘る駐在・実務経験を有し、各国の現地弁護士と協働して各種法律調査や進出日系企業に対する各種法的なサポートを行う。インフラプロジェクトについては、タイ、カンボジア、ミャンマーにおける道路敷設や鉄道、上下水道、高速道路のメンテナンスなどの開発プロジェクト、ラオスでの電力開発案件等も支援。

    E-mail:yuto.yabumoto@oneasia.legal

  • One Asia Lawyers
    One Asia Lawyersは、ブルネイを除くASEAN全域、南アジア及び東京にオフィスを有しており、日本企業向けにASEAN及び南アジア地域でのシームレスな法務アドバイザリー業務を行っております。2019年4月1日より南アジアプラクティスを本格的に開始。

  • 【One Asia Lawyersグループ タイオフィス】
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    Tel:+66-61-780-1515

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