2017.08月号

タイにおける固定資産管理の在り方について

第1回 「タイ固有要件の整理と固定資産管理の仕組化について」

弊社は「ProPlus」という固定資産管理システムを専門的に開発・販売しているパッケージベンダーです。累計導入実績は4,500社超、グローバルでも17ヵ国113の法人にご利用いただいております。日本のパッケージではありますがタイの税務要件にも標準対応しており、タイでは20社程の企業に導入経験があります。今回は、タイで事業を展開するうえで押さえておくべき固定資産管理のポイントについてお話いたします。

■タイにおける固定資産

タイでは、日本のような資産計上に関する金額基準が存在せず、原則として事業利用が1年を超えるものは全て固定資産計上です。実態は企業ごとに一定の金額基準を設定するのが一般的ですが、原則に従うと特に規模の小さな固定資産の件数が増える傾向にあり、現物管理が大変です。
また、タイでは日割で減価償却費を計算します。固定資産の取得タイミングに応じた費用化が必要になるため、取得資産が多い月は処理が煩雑になります。

■固定資産管理の仕組化

事業を拡大するにつれて管理すべき固定資産はどんどん多くなります。業務負荷を抑えるためにも、固定資産管理の早期仕組化が求められます。その手段としては、以下に述べる三種類の方法が大きくありますが、それぞれの考慮すべき点をまとめます。

①Excelなどの表計算ソフトを利用
計算の正確性や履歴管理、バックアップなどのセキュリティ面が問題になります。また、計算に用いる関数などの設定が担当者に属人化するため業務のブラックボックスが生まれやすく、担当者に休暇や退職があった際の引継がスムーズにいかず、決算の遅れにもつながる危険性をはらみます。

②日本本社の経理システムを利用
そのほとんどがタイ固有要件に対応していないため、ローカル対応用のカスタマイズが増え、システム保守費用が肥大化することが懸念点です。結果として、システム標準でカバーできない部分をExcelに頼る形にもなりがちで、二重管理の状況を生むケースもあります。

③ローカルのソフトウェアを購入
タイ固有の要件には対応できているものの単純な処理しか行えず、例えば償却費の配賦や予測計算、キャッシュフローを把握するためのアウトプットなど、管理会計や経営的側面まで意識したシステム運用は難しくなります。また、日本本社からの見える化が難しく、グループガバナンスの観点で不安が残ります。
これらを踏まえ、各企業の状況に応じた最適な選択が必要ですが、成長期に入ってからのシステム化は労力を要するため、資産の少ない早めのタイミングでのシステム化が理想です。
次回はタイにおける固定資産現物管理の最適化についてお話します。

 


株式会社プロシップ
海外ビジネス営業部
グループリーダー
葭葉 類
2011年プロシップ入社。2015年より海外ビジネス営業部に所属。日系企業の海外法人における固定資産管理業務の効率化と高度化を支援する提案を行っている。2016年にはタイで「経営の見える化セミナー」の講師を担当するなど、タイでの活動を精力的に行っている。

株式会社プロシップ
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