2015.07月号

PwC タイビジネススタディ

PwC タイ税務スタディ タイでの申告・納税について

pwc

タイ国における法人税の申告・納税に関する留意点は何ですか?
また、中間申告時の申告額の計算はどのように行うのでしょうか?

1.年次申告実務

1.1.申告・納税事務

歳入法典代65条によると、会社は、事業年度ごとに課税所得を計算する必要があります。課税所得の計算期間は、通常の場合、12ヵ月間となりますが、会社設立直後の最初の事業年度や事業年度終了日を変更する場合の経過事業年度(この場合には、歳入局及び商業登記局に申請を行い承認を得る必要があります)の計算期間は、12ヵ月に満たない場合があります。タイ国の法人税制度は、基本的に申告納税方式を採用していますので、会社は所定の期日までに法人税申告書を作成・提出するとともに、算出した納税額の全額を納付する必要があります。一方、歳入局は申告日から2年以内であれば(歳入局長官の特別な許可があれば5年以内)いつでも会社の会計記録を調査する権限を有し、必要と判断すれば、納税額の更正決定をすることができます。なお、無申告の場合には、申告日から10年以内であれば更正決定をすることができます。
歳入法典第69条によると、すべての法人は事業年度終了日から150日以内に所定の様式により、年次法人税申告書(Phor Ngor Dor 50)を提出しなければなりません。例えば、会社の事業年度が12月31日に終了する場合には、5月30日(閏年の場合は5月29日)が申告期限日です(同日が政府の定めた休日の場合は、翌営業日が申告期限日になります)。
なお、この年次法人税申告書には、会社の収入、支出、純損益、そのほかの情報が記載されますが、当該事業年度にかかる監査済貸借対照表及び損益計算書も同時に提出する必要があります。

1.2.加算税・延滞税

歳入法典第22条及び第26条によると、①過少申告として更正決定がされた場合には、追徴税額と同額の加算税が課せられ、また、②無申告のため更正決定がされた場合には、加算税は追徴税額の2倍まで増額されます。さらに、歳入法典第27条によると、追徴税額に関し毎月1・5%(ただし追徴税額と同額を上限とする)の延滞税が課されます。
ただし、加算税については、会社は歳入局長官に対し、歳入法典第27の2(bis)条および歳入局規則No. Taw Paw 81/仏暦2542に基づき、その減額/免除措置を理由を添えて書面で申請することができます。この場合、歳入局調査官は、会社に脱税の意図がなく、また、税務調査においても協力的であったと認められる場合に、50%を上限として加算税を減額する権限があります。また、歳入局長官やその代理者には、加算税について、さらなる減額や免除を行う権限があります。他方、一般的に延滞税についての減額や免除は認められません。

2.中間申告実務

2.1.中間申告実務

歳入法典第67条の2(bis)によると、会社は、原則として、事業年度が6ヵ月経過後2ヵ月以内に中間法人税申告書(Phor Ngor Dor 51)を提出しなければなりません。
例えば、事業年度が1月1日から開始する場合には、6ヵ月目の末日は6月30日ですので、会社は中間法人税申告書を8月31日までに提出しなければなりません(同日が政府の定めた休日の場合には、その翌営業日が提出期限日となります)。ただし、設立した年度や清算した年度など、事業年度の期間が12ヵ月に満たない場合には、中間申告の必要はありません。
中間申告額の計算に当たっては、会社は、原則として年間の予想利益(予想所得)に基づき年次予想納税額を計算し、その1/2相当額を申告しなければなりません。
ただし例外として、事業年度開始後6ヵ月間における実際利益に基づき税額計算を行う方法もあり、上場企業や商業銀行などの特定の会社については、この方法による申告が義務付けられています。会社が実際利益に基づく納税方法を選択する場合には、その適用について歳入局の事前承認を得て、毎期の中間決算について監査人によるレビューを受ける必要があります。
なお、この中間納付額は、年度の法人税額の計算で控除されます。

2.2.年間予想所得に基づく中間納付

歳入法典第67条の3(ter)によると、予想利益に基づいて中間納税を行っている場合、根拠となった年間予想利益が、年間の実際利益に対して25%を超えて少ない時には、合理的な理由がない限り、中間納税不足額に対して20%の延滞税が課されます。
予想利益が少ないことの「合理的な理由」については、歳入局通達No.Paw50/仏暦2537において、「会社が予想利益を用いて納付した中間納税額が、前事業年度の法人税納税額の半分以上である場合には、合理的な理由として取り扱う」との規定があります。
歳入法典第67条の3(ter)における延滞税の規定は、①無申告(申告書未提出)、③申告予想利益の実質的な逸脱や不正確な計算がある場合に適用されます。従って、会社が期限までに中間申告書を提出せず納税を怠った場合には、年次申告書が期限までに提出・納税されていても、本条により20%の延滞税が課せられることになります。
実務上の問題として、この20%の延滞税と一般的な延滞税(歳入法典第27条に定める毎月1・5%の延滞税)との関係を問われることがありますが、歳入法典第27条は同法典第2章における一般規定であり、中間申告の特別規定である歳入法典第67条の3(ter)が適用される場合には、歳入局はこの一般的な延滞税を追加して課すことはできません。すなわち、歳入法典第67条の3(ter)により20%の延滞税を課せられた場合には、歳入法典第27条による毎月1・5%の延滞税の適用は認められません。
ただし、会社が歳入局の通知や税務調査を受ける前には軽減措置が適用され、自主的に申告修正をする場合には、毎月1・5%の延滞税が課せられます。

 

【事例1】
A社は2013年度において50の納税を行っています。2014年中間申告を年間の予想利益(予想所得)200に基づき、中間納付として20(200×1/2×法人税率20%)を支払いました。
事業年度通期の実際利益(所得)が400であった場合、中間納付時で予想すべき所得は200(400×1/2)であり、中間申告時の予想利益(200)は実際利益よりも25%を超えて低く見積もったことになります。A社のあるべき中間申告額は40(200×法人税率20%)であり、この場合に合理的な理由がなければ、中間納税不足額20(40-20)に対して20%の延滞税が課されることになります。

 

【事例2】
B社は2013年度において50の納税を行っています。2014年中間申告時を2013年度の年次申告に基づき250と見積もり、中間納付として25(250×1/2×法人税率20%)を支払いました。
事業年度通期の実際利益(所得)が400であった場合でも、B社は年間の予想利益を前年度(2013年)の実際利益(250)の1/2と見積もっているため、予想所得と実際所得の差異にかかる延滞税の問題はありません。

 

※このコラムは「時事速報BANGKOK」で、以下年月に掲載されたものです。
◎年次申告実務:2014年12月3日
◎中間申告実務:2015年1月7日

 

 

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土谷豊弘
PwC ジャパンデスク アソシエイト ディレクター
一般事業会社を経て1997年中央監査法人監査部に入所。会計監査、株式公開支援業務に従事した後、2004年4月よりPwCタイ法人バンコク事務所に勤務。
日系企業に対して会計監査、税務関連業務の他、法務、投資、M&Aといった各種コンサルティング業務等、多岐に渡るアドバイスの提供、サポートを行っている。日本国公認会計士。
+66 (0)2 344 1217( 直通)、+66 (0)81 376 5785( 携帯)
toyohiro.tsuchiya@th.pwc.com

 

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