PRのプロが、こっそりコツを教えます!タイ市場における ブランディング術

PRを熟知したプロ3人が、タイでのブランディングのコツをお話します。

「いいモノを世の中に広め、人々を幸せに」を企業理念に、PR事業を手掛けるベクトル。
企業の商品、サービス、CSR等の事業活動を、マスメディア、インターネット、SNS、インフルエンサー、イベントといったあらゆる媒介物、伝達手段を駆使して世の中に広める事業を軸に、日本では25年の実績を持つ。
現地法人を設立して約4年、タイでも順調に事業を拡大中だ。
今回はPRを活用するメリットとコツについて、Vector Group Ltd.の川東真理氏に解説いただいた。

そもそも広告とPRって何が違うのでしょうか?

よくAD(広告)とPRの違いを聞かれることがありますが、平たく言ってしまえば、情報発信手法の違いになります。ADは企業や商品・サービスの「認知を得るための主体的な情報発信活動」で、PRは企業や商品・サービスの「理解と信頼を得るために、第三者に情報を発信してもらう活動」です。

さらに別の視点で言うと、ADは広告料金を支払って情報を掲載するため、内容をコントロールしやすいですが、PRは他人の声を借りて評判を広めてもらう活動とも言えるので、内容のコントロールは難しいものの、広告料金を支払うことなく、タダに近いコストで情報を広めてもらえる可能性もあります。

日本ではPRがADに付随する一部の情報発信活動として見られがちであるため、AD予算が少ない、もしくはマーケティング全体の予算に限りがある場合、付随物とされるPR予算は削られがちでした。

しかし本来は、PRを上手く利用すれば、むしろ全体のコストを抑えながら、情報発信の量も質も上げることが可能なのです。

タイに駐在されている方から、「そもそもマーケティング予算が日本本社ほど潤沢にない」とのお話を伺うことが多いのですが、こうしたコスト削減の観点からも、PRという手法に興味を持って頂けると嬉しいですね。

PRを活用した際のメリットを教えてください。

PRは上手に活用すれば、多くの副次効果が得られます。まず①ブランドイメージの向上です。PRは第三者に情報を発信してもらうことが前提になるので、情報の客観性が担保されます。マスメディアで編集記事や報道として取り上げられるということは、社会的価値のある情報とみなされるため、企業の信用度は上がりますし、商品・サービスへの信頼度も増すでしょう。

また記事コンテンツとしての情報流通量が増えると、②情報連鎖の好循環が生まれます。テレビ番組や新聞・雑誌で見た記事の詳細が気になる人は、今の時代、ほとんどの人がウェブ上でも検索するでしょう。検索数が上がることで、キーワードが話題化し、ソーシャルネットワーク上に飛び火する可能性も高まります。こうした情報連鎖が広がり、③口コミが興味関心を喚起させるという意味で市場形成をも担うと言えるのが、PRの醍醐味です。

実際にPRを活用する際のコツは?

第三者に情報を発信してもらうためには、まず第三者に「共感」してもらう必要があります。共感してもらうためには、相手がどんなポイントに関心を示すかを知る必要がありますし、届けたいメッセージがあるなら、耳を傾けてもらえるように、関係性を構築しなければなりません。具体的に言うと、普段日本でも広報担当者が行うように、定期的にプレスリリースや記者発表会等の形でメディアに情報を届け、かつ記者の方とも密に関係性を構築して、といった手法はタイでも同様に効果はあります。

​また、SNSや口コミ等の影響力が強いタイでは、マスメディア以外にもインフルエンサーの活用や公式SNSでの情報発信等もうまく組み合わせながら、複合的に情報を発信していくことが有効です。ただし、いずれの活動も短期間ではできるものではありませんし、なかなか専任のスタッフをおくのも難しいという声も多くききますので、うまく外部リソースを活用されるのも、逆に低コストで効率的に成果に繋がる一歩と考えます。

次回は3人目のプロ、PAMさんが
PRの成功事例を紹介!

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