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ベトナム現地法人の人事制度を ローカライズする ①等級・評価制度のローカライズ

在ベトナムの日系企業に組織人事コンサルティングサービスを提供している弊社では、現地法人の方から人事制度に関するお悩みをお寄せいただきます。その中でも多いのが、「日本にある親会社の人事制度をそのまま翻訳して導入したが、しっくりこない。どうしたらいいものか」というご相談です。
そこで本記事では、「人事制度をローカライズする」というテーマで、現地法人における人事制度をベトナムの現地事情にフィットさせるためのステップをご紹介します。
企業の人事制度における基幹は、資格等級制度・評価制度・報酬制度の3制度を指すのが一般的です。これら3制度を「基本的にはグローバライズすべき制度」「基本的にはローカライズすべき制度」に分類します。資格等級制度と評価制度は前者、報酬制度は後者です。
社内の階層構造や各職層に求める役割期待(資格等級制度で明示)、各職層や職種ごとの評価の視点や基準(評価制度で明示)などは、同業界で同職種に従事する限りにおいて、概して汎用的です。ただし、定性的・抽象的な表現が多い日本の資料をそのまま翻訳しても、現地法人のナショナルスタッフには腹落感がないこともあります。表現を定量化・具体化しながら意訳することが、これら2制度のローカライズにつながります。
加えて資格等級制度は、現地法人の実情に合わせて調整すべきです。不必要に階層数が多すぎる場合は適正数へ改訂し、日本よりも社員の平均年齢が若い組織の場合は、昇格スピードを妥当なペースにあげる必要もあるでしょう。
一方で、各国の労働関連法規や雇用慣習、労働市場相場等による制限を最も受けるのが報酬制度です。自社の求めるロジックだけで設計できる制度ではないため、各国事情を熟慮した根本的なローカライズが求められます。次回は、報酬制度を根本的にローカライズするための視点をまとめてまいります。


ICONIC Co., Ltd.取締役
組織人事コンサルティング部統括部長 賃金管理士
長浜 みぎわ

ICONIC 組織人事コンサルティング部統括部長/取締役/賃金管理士。横浜国立大学卒業後、日本及びフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事業の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要及び労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。07年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。10年、ICONIC取締役に就任。


(+84)28-3821-5122(ベトナム)
代表:安倉 宏明 ( Yasukura Hiroaki )
設立:2008年5月
本社:10 F Citilight Tower, 45 Vo Thi Sau,Dist 1, Ho Chi Minh, Vietnam

ICONICグループは「人材サービスでグローバル化する社会を豊かにする」というミッションのもと、2008年にベトナムで創業し、現在は5ヵ国7拠点にてグローバル人材事業を展開しております。メイン事業はASEAN各国現地での人材紹介事業と組織人事コンサルティング事業。そして14年よりベトナムを中心に現地人材および、海外で働きたい日本人向けの転職サイト『iconicJob』を、19年に『iconicHRbase』をスタートいたしました。

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