人材 2019.12月号

ベトナムでの外資による M&Aの注意点 ①

ベトナムでの外資による M&Aの注意点 ①

昨今、日系をはじめとする外資系企業のベトナム進出が加速する中で、現地企業に対する「M&A(合弁・買収)」が活況を見せています。現地の資本獲得やライセンス取得などの課題を乗り越え、新たな市場を切り開く上で欠かせないM&Aですが、一方で、新規の法人設立との違いや海外ならではのメリット、デメリットを把握しておく必要があります。本記事ではベトナムにおけるM&Aの実態と、新規法人設立との違いをお伝えしていきます。

ベトナムにおける会社設立とM&A相談の実情

ベトナムでは、外国企業が既存のベトナム企業のM&Aを実行する方法として、株式会社の株式または有限責任会社の出資持分の取得という方法を取るケースがほとんどです。資産譲渡の形式では詳細な契約が必要とされたり、手続きが煩雑だったりします。また、ベトナムでの合併や会社分割は法的・税務的に非常に煩雑なため、選択されないケースが多いです。

そのため、日本企業がベトナム進出を検討する場合も、現地法人の新規設立か、既存企業の株式・持分取得によるM&Aかが検討されることになります。

M&Aと新規設立のメリットとデメリット

株式・持分取得によるM&Aのメリットとしては、既存のローカル企業のライセンス、土地、販売チャネル、設備・人員の引継ぎが可能である点です。ただし、日本側出資者との企業文化の相違や、従来の法令違反・税務リスクを引き継ぐ恐れもあります。

対して新規設立は、出資者の思い通りの組織設計が可能であり、既存の法令違反や税務リスクはありません。しかし、ただでさえ取りづらいライセンスの取得難易度がより高くなり、ローカルの基盤も新たに作らなければならない、といったデメリットもあることを留意しておきましょう。

工藤 拓人プロフィール画像
CAST LAW VIETNAM 代表
日本国弁護士・ベトナム外国弁護士
工藤 拓人

弁護士法人キャスト・パートナー。日本国弁護士(大阪弁護士会所属)、ベトナム外国弁護士。2011年から弁護士法人キャストに参画し、2013年から中国上海、2014年からベトナムへ赴任。2015年よりホーチミン支店長、2017年より現職。ベトナムを拠点に、在ベトナム日系企業に対して進出法務、M&A、労務、知的財産、税関および不動産などの分野で幅広いサポートを行う。著書に「メコン諸国の不動産法」(共著、大成出版社)、「これからのベトナムビジネス」(共著、東方通信社)など。

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ICONICグループは「人材サービスでグローバル化する社会を豊かにする」というミッションのもと、2008年にベトナムで創業し、現在は5ヵ国7拠点にてグローバル人材事業を展開しております。メイン事業はASEAN各国現地での人材紹介事業と組織人事コンサルティング事業。そして14年よりベトナムを中心に現地人材および、海外で働きたい日本人向けの転職サイト『iconicJob』を、19年に『iconicHRbase』をスタートいたしました。

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