ArayZオリジナル特集

グローバル・ビジネスのスタンダード 経営ツールとしてのISO認証

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改正が進む2015年版

現在、ISO9001は2008年版、ISO14001は2004年版が運用されているが、2015年版へ向けて改正が進められている。ISO9001は今年7月に最終国際規格原案(FDIS)が発行され、9月にISO9001:2015年版が発行される予定となっている。ISO14001は4〜5月にFDISが発行され、6〜7月にISO14001:2015年版が発行される予定だ。2015年版が発行された後、各審査会社が手順の作成に取り掛かる。移行に際しては「移行期間」が認められており、ISO9001でいえば、予定通り今年9月に発行された場合、2017年9月までは2008年版で認定が受けられると見られている。
今回の改正において、ISO9001は製造業以外の組織での取り組みが少ないという課題があった。これは製造業に理解しやすい表現となっていたことが原因と考えられている。また、ISOではさまざまな規格が発行されているが、それらの間に整合性が欠けていたため、附属書SL(Annex SL)という指針が開発された。今回はその指針に沿って改正するという背景も含まれている(図表6)。

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ISO14001に関しては、2004年版の発行以降、規格を取り巻く技術や社会的環境の変化と、そのほかのISOマネジメントシステム規格との共通化に対応するためという理由から改正がされる。これまでISO14001はISO9001との整合性を重視して行われてきたが、そのほかの規格との整合性を持たせるため附属書SLに沿って改正することとなった。

ポイントとなる変更点とは

ISO9001の主な変更点として、リスクに基づく考え方の重視という点がある。ISO9001/DIS( ※)を構成する6節「品質マネジメントシステムに関する計画」の6・1に「リスクおよび機会への取り組み」という項目があり、マネジメントシステム全体に関わる項目となっていることから注意が必要となる(図表7)。

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なお、「リスク」についての〝用語および定義〞によると、「期待されている結果に対する不確かさの影響」。「影響とは期待されていることから、好ましい方向、または好ましくない方向に乖離すること」となっている。そのほかの変更点については①組織およびその顧客にとっての価値を達成することをより重視している②文書の利用により柔軟性を持たせている③サービス関連の組織がさらに適用しやすくなっている④顧客を最も重視していることに変更はない―という特徴がある。
ISO14001の変更点については、環境汚染の予防に加え、持続可能な資源の利用、気候変動、生物多様性などへの対応拡大といった環境保護についてや、システムの継続的改善から、パフォーマンスの継続的改善に重点が移ったこと、システムの成功を確実にするためのトップのリーダーシップに関する責任の導入などが盛り込まれる予定だ。
(※)国際規格案

【免責事項】2015年版に関する事項はPerry Johnson
Registrars, Inc. Thailandの見解であり、ISO、IAF、ISO/TC176、ISO/CASCOの正式発表ではありません。
また、この改訂に関する情報は最終的なものではなく、既存の品質マネジメントシステムを変更するために用いるべきではありません。

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