ArayZオリジナル特集

大メコン圏を繋ぐ、道路と鉄道の未来 アセアン・タイの交通網

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日本の支援で生まれた交通インフラ網

バンコクと郊外を結ぶ架橋支援

バンコク都内のチャオプラヤー川に架かる橋は現在21あり、そのうち14の橋に関し、日本政府は円借款などで支援を行っている。
タイに対する第1次円借款時(1971年)には、長さ280メートル、6車線2歩道のタ・チャン橋がつくられた。この橋はラマ4世の弟で、第2王の地位についたチュターマニー王子に下賜された称号から「プラ・ピンクラオ橋」の名称で親しまれている。支援した橋の中で最も古いものは長さ234メートル、6車線2歩道のメモリアル橋で、チャクリー王朝開朝150周年を記念して29年に民間で建設されたもの。第7次円借款時(83〜84年)に補修工事が行われている。また、チャオプラヤ川でも一際目をひくラマ9世橋。これは第9次円借款時にバンコク首都高速道路建設の第3期工事としてつくられたもので、84年に着工し87年に開通した(参考:外務省HP「チャオプラヤ川に架かる橋」より)。

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「円借款で建設された最も新しい橋はノンタブリ1道路橋で、2014年12月に開通しました。この橋は日本の三井住友建設とタイのイタリアンタイ社が合弁で施工を行い、斜張橋よりも疲労強度が強く、低コストで建設が可能なエクストラドーズド橋の構造がタイで初めて導入されました。橋梁のほかにもシーロムエ リアのラマ4世道路高架橋や市内の高速道路など、日本のODAはバンコク市内の多くの交通インフラを支援してきました」(宮原氏)。

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東部臨海地域の産業基盤開発

日本は1980〜90年代初頭頃まで、道路開発や在来線の路線修繕などの支援を積極的に行ってきた。特にチェチュンサオ、チョンブリ、ラヨーン3県にまたがる「東部臨海地域」においては、開発調査や円借款の供与によりさまざまなインフラ整備を支援している。
東部臨海地域はタイ政府により、産業基盤の整備を目的に、80〜90年代にかけて開発が進められたエリアだ。シラチャー〜レムチャバン鉄道、サタヒップ〜 マプタプット鉄道、チョンブリ〜パタヤ道路建設のほか、レムチャバン港、マプタプット港、レムチャバン工業団地、マプタプット工業団地開発などがODAと して行われ、今ではこの東部臨海地域は、バンコクに次ぐタイの第2の工業地帯となっている。また、東部臨海地域3県の一人当たりのGNPは81年の約2万7000バーツから、2009年の約52万8000バーツへと飛躍的に増加。その中でも、マプタプット地区とレムチャバン地区の発展は目覚しく、東部臨海 地域の一大工業拠点として成長を遂げており、この地域では05年までに56万4000人の雇用が創出されている。

 

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