ArayZオリジナル特集

押えておきたい基礎知識&最新ビジネス事情 『1』から分かるミャンマー

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いよいよ本格進出への兆しが見えたビジネスインフラ最新事情

陸で繋がるミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア各国をメコンというひとつのエリアで見た時、市場規模は人口約2億4000万、GDPは約6640億米ドルにのぼる。地政学的にもミャンマーは東西経済回廊、南部経済回廊のメコンエリア最西端に位置し、アジアを抜けてインド、中東、欧州、アフリカへと繋ぐ、重要かつ優位な場所に位置する。豊富な資源、安価な労働力のほかにも、対日輸出の特恵関税適用などの魅力を誇るミャンマー投資基盤の現状とは。

日系企業の対ミャンマー投資状況

1995年以降、安価な労働力を背景に日系企業の投資が増加するも、97年のアジア通貨危機後の貿易規制、外貨送金制限の強化や経済開発援助再開の見通しが立たないことなどを理由に投資は低調した。その後2010年度、拡張投資としては04年度以来6年ぶりに縫製業で既存案件の拡張投資が行われた。11年度、12年度には縫製業2件が認可されたが、新規投資としては01年度以来10年ぶりであった。
ヤンゴン日本人商工会議所の会員数は11年度まで50社ほどだったが、12年度から徐々に会員数が増加。14年度には200社を超えた。この背景にあるのは、今後、日系企業の進出増を見込んだ、法律、コンサルなどのビジネスサービス関連業種と、建設や運輸部門、商社支店、銀行の駐在員事務所などの増加だ。
現在、各国からの製造業投資は活発化しており、通信分野ではノルウェー、カタール、日本などから大規模な投資が行われている。日本は新外国投資法施行後の13年1月〜15年6月末までの各国による投資累積額において、金額で11位、件数では5位にいる(ミャンマー国家計画・経済開発省投資企業管理局(DICA)発表)。

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ヤンゴン市街地の様子。日系ブランドの看板も多く目に入る

 

日本の官民協力による開発で期待が集まるティラワ工業団地

製造業の進出にあたっては、これまで不安定な電力や通信、交通網の未整備などインフラ面が大きなネックとなっていた。ヤンゴン周辺において唯一国際水準のミンガラドン工業団地はすでに全区画が埋まっており、新たな国際レベルの工業団地の誕生が待ち望まれていた。そのため、先行開発部分がまもなく開業となる、三菱商事、丸紅、住友商事とJICAが官民一体となり、ミャンマー側と共同で開発しているティラワ経済特区(SEZ)への期待値は高い。

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ジェトロ・ヤンゴン事務所高原正樹所長に聞いた〝ミャンマーの今〞

外資系企業による対ミャンマー投資の勢いは衰えるところを知りませんが、今後投資が見込まれる業種・業界にはどのようなものがあるのでしょうか?

「約5150万人の消費人口を狙った国内市場への投資は活発化が予想されています。6月にはファストフードのKFCが第一号店舗をオープンさせましたが、年内にはピザハットも開店を計画しています。日系ではフレッシュネス・バーガーがすでに店舗を開店済みですが、ミャンマー国民の所得は増加の一途にあり、この流れは今後加速化するものと思います。また、4月にはヤンゴン市内でノボテルが開業しました。今後、シェラトンやペニンシュラなど外国資本の5つ星級ホテルが開業を計画しています。
外国企業によるミャンマーへの投資はこれまで、電力や石油・ガスといったエネルギー関連部門が牽引してきました。しかし2011年に民政が誕生、12年に外国投資法が24年ぶりに改正されて以降、製造業分野への投資が伸長しており、13年1月〜15年6月末までの直近の2年半の外国投資動向を見ると、実に投資件数の7割以上を製造業が占めるに至っています。ティラワ経済特区(SEZ)の正式開業が迫る中、同SEZへの進出決定企業は順調に増加してり、今後もティラワを中心とした製造業分野への投資が積極的に行われるものと想像しています。また、携帯電話サービスを中心とした通信分野や不動産分野への投資も増加しています。

※SEZへの投資には新経済特別区法によるインセンティブが与えられる(表1)。同法は2014年1月に大統領署名により成立し、11年成立の旧SEZ法は廃止となった。
改正のポイントは、フリーゾーン(輸出拠点)とプロモーションゾーン(国内向け)の区分と優遇措置の差別化、投資インセンティブには法人税・関税の減免や外資規制緩和(管理委員会の承認次第で、外国投資法規制分野への投資も可能)など。各SEZにはワンストップサービスセンター(OSSC、表2)が設置され、会社設立などの手続きを集約、迅速化が行われている。

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ティラワ、ダウェー以外にも経済特区(SEZ)の開発が予定されていますが、進捗状況と注目度を教えてください。

「ティラワ、ダウェーと並んで経済特区に指定されているチャオピューに関しては、インドやバングラデシュをはじめとする南西アジアを臨み、中国内陸部からのパイプラインをはじめ、交通の要所として注目されています。現在のところ、シンガポールの政府系インフラ開発・設計会社CPGが作成したマスタープランのもと、住居エリア、工業団地エリア、深海港、それぞれの開発主体を決定すべく入札が進められています。チャオピュー側では現地民間企業がMKSHという名の民間コンソーシアムを結成済みで、各種プロジェクトをJVを行うための準備を進めています。
また、タイ・ミャンマーを結ぶ陸路の難所となってきた、ミャワディからコーカレイへと抜ける峠の迂回道路が正式に開通する予定となっており、これによって陸路物流が大幅に改善されることが見込まれます。また、ミャンマー政府は、国土全体の発展計画においてはヤンゴン一極型ではなく、マンダレーにも重点を置いた二極型の採用を検討していますが、マンダレーの投資環境が改善されることになれば、マンダレーへの外国企業投資の進展も期待されます」。

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今年11月に実施が予定されている総選挙にも注目が集まっている。民政移管後初となる総選挙の行方は、ミャンマーの今後の民主化を見定めるうえでも重要な政治イベントであり、動向は注視する必要がある。

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ジェトロ・ヤンゴン事務所 高原正樹所長
ジェトロ・ヤンゴン事務所
#102-103, Prime Hill Business Square No.60
Shwe Dagon Pagoda Road, Dagon Township,
Yangon, Myanmar
+95(0)1-37-1787
http://www.jetro.go.jp/jetro/overseas/mm_yangon.html

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