ArayZオリジナル特集

“中進国の罠”からの脱却を目指すタイ 2016年アジアビジネスの中心になるのはどこか

この記事はPDFでダウンロードできます

ダウンロードができない場合は、お手数ですが matsuoka@mediator.co.th までご連絡ください。

※入力いただいたメールアドレス宛に、次回配信分から定期ニュースレターを自動でお送りしております(解除可能)

ASEANビジネスニュース 時事年表2015

1月

タイ財閥CP、伊藤忠と中国国有企業に共同出資
タイ最大財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと伊藤忠商事は、中国最大の国有複合企業である中国中信集団(CITIC)の傘下企業に共同出資すると発表した。出資額は1兆円強で、日本企業の対中投資としては、過去最大となる。

インラック前首相を弾劾、5年間の政治活動禁止

arayz dec 2015 tokushu

国家立法議会は、インラック前首相が推進したコメ買い取り政策が、国に巨額の損失をもたらしたとして、前首相の弾劾を決めた。
政治活動が5年間禁止されるため、来年以降に実施される予定の次期総選挙に出馬することができない。

消費者物価指数、5年4ヵ月ぶりにマイナス
1月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.4%減と、5年4ヵ月ぶりにマイナスに転じた。原油価格の下落などが背景にある。

2月

日・タイ首脳会談、経済面での連携も確認

arayz dec 2015 tokushu

安倍首相は、プラユット暫定首相と会談し、タイが共同で開発に乗り出しているミャンマーの「ダウェー経済特区」やタイの鉄道整備などで連携を深める考えを明らかにした。また、タイの民政復帰、新投資奨励制度ほか、テロ対策、南シナ海などについて話し合った。

流通大手セントラル、国境付近で出店を加速
流通最大手セントラル・グループは、近接国であるカンボジア、ラオス、ミャンマーとの国境付近での出店を加速する。15年末のASEAN経済共同体(AEC)」発足で、ヒト・モノの往来が活発になる見通しで、大型商業施設を出店し、周辺国の消費旺盛な訪問客の取り込みを図る。

三菱自動車、ピックアップトラックの輸出を開始
三菱自動車は、タイにおける生産・販売会社であるミツビシ・モーターズ・タイランドにおいて、新型ピックアップトラック『トライトン』の輸出を開始したと発表した。今後、フィリピンを手始めにアセアン、中東、欧州、アフリカなど約150ヵ国に輸出する計画だ。

3月

みずほ銀が出張所開設、イースタンシーボード工業団地内に

arayz dec 2015 tokushu

みずほ銀行は、東部ラヨン県にあるイースタンシーボード工業団地内に出張所を開設した。日系企業が集積する同県とチョンブリ県南部の企業を対象に、通常の銀行業務全般などのサービスを提供する。

東部臨海地域、インフラ整備に1000億バーツ
政府は、東部臨海地域の物流・輸送インフラ整備に1000億バーツを投じる見通しを明らかにした。陸上(鉄道、道路)、水上(港湾)輸送網を構築し、産業の核となる工業地帯の物流システムの統合と強化を図ることが狙いだ。

住友林業、現地法人設立、木材建材流通事業を拡大
住友林業は東部チョンブリ県に拠点を置く梱包材製造・販売事業および木質製品流通事業を行うパン・アジア・パッキング(PAP)への出資ならびに、現地法人でPAPの持ち株会社となるSFホールディングス(タイランド)を設立したことを発表した。近年の経済成長に伴う消費者の購買力向上や住宅着工数の増加を背景に、市場の拡大が見込めると判断した。

4月

日本支援の「つばさ橋」、カンボジアで開通

arayz dec 2015 tokushu

日本の協力で10年以上の歳月をかけて造られたつばさ橋(ネアックルン橋)が、カンボジアで開通した。同橋はメコン川に架かり、ベトナム、カンボジア、タイをつなぐ南部経済回廊の一部で、メコン地域の経済発展を支える大動脈として期待される。

軍事政権、約1年で戒厳令を解除
軍事政権は、昨年5月のクーデターから全土に発令されていた戒厳令を解除した。欧米
諸国や国内の観光業者などから戒厳令を解除を求めていた。一方、プラユット暫定首相は、暫定憲法44条を発動して、自身に更なる権限を与える治安維持策を導入する考えを示した。

高速3路線の建設、閣議で承認、渋滞の緩和図る
政府は閣議で、都市間高速道路3本の建設計画を承認した。激しい渋滞を緩和するため
に建設する道路は、◇中部アユタヤ県〜サラブリ県〜東北部ナコンラチャシマ県◇ノンタ
ブリ県バンヤイ郡〜西部カンチャナブリ県◇東部チョンブリ県〜ラヨン県│。

5月

賃貸工場「ヨコハマファクトリーゾーン」開所、アジア工業団地内に
横浜市の公益財団法人、横浜企業経営支援財団(IDEC)は、タイ進出企業を支援するため、タイの工場賃貸大手タイコン・インダストリアル・コネクションと提携し、賃貸工場スペース「ヨコハマファクトリーゾーン」をアジア工業団地内に開所した。バンコクから40キロの地点に位置する同団地には、多くの日系企業が入居する。

自動車部品のTBK、アマタに新工場を建設
自動車部品TBKの子会社TBKK(タイランド)は、主にブレーキなど自動車関連部品の生産拡大に対応するため、アマタナコン工業団地内に新工場を建設している。タイを中心としたASEAN域内への製品供給力を増強し、現地ニーズに合った製品の供給体制を強化する考えだ。

新車販売3割落ち込む、冷え込む消費者心理

arayz dec 2015 tokushu

4月の新車販売台数は前年同月比26% 減の5 万4058台となった。初めて自動車を購入する消費者向けの減税措置の終了による反動減が主因とみられる。消費者心理も冷え込んだままで、通年の販売台数予測は当初の95万台から85万台〜90万台に下方修正された。

6月

川崎市がレンタル工場を建設、市内中小企業の進出支援
川崎市は、パトゥムタニ県チュムヌムサップ工業団地内にレンタル工場区画「川崎パトンタニ・インダストリアルパーク(KPIP)」を開設することを明らかにした。14年には「川崎中小企業バンコク合同事務所」を開設するなど、中小企業のタイ進出支援を進めている。

円借款、バンコクの交通渋滞緩和など図る

arayz dec 2015 tokushu

国際協力機構(JICA)は、タイ政府との間で「バンコク大量輸送網整備事業( 鉄道レッドライン)」を対象として382億300万円を限度とする円借款貸付契約に調印した。2018年の開業を目指す同ラインは、首都圏における輸送需要への対応、交通渋滞の緩和及び大気汚染の改善を図ると期待される。

富士フイルム、ミラーレス一眼デジカメの新製品発表

arayz dec 2015 tokushu

フジフイルム(タイランド)は、高級デジタルカメラの新製品「X-T10」を発表した。フラッグシップモデルのミラーレス一眼で若年層の取り込みを目指す。国内のデジカメ市場全体は、縮小しているが、ミラーレス市場は拡大している。

7月

トヨタ、新型ピックアップの輸出を開始

arayz dec 2015 tokushu

トヨタ自動車は5月からタイの工場で生産・販売を開始した新型ピックアップトラック「ハイラックス」の輸出を開始した。タイは新興国への輸出拠点として位置づけられており、「ハイラックス」は中東や中南米など100ヵ国・地域以上に輸出される計画だ。

アイシンエーアイ、新開発のトランスミッションを生産
アイシン・エーアイは、トヨタ自動車と共同で新開発した後輪駆動(FR)車用の高容量
6速マニュアルトランスミッション「AC6」を、アイシン・エーアイ(タイランド)で生産し、トヨタのタイ工場に供給を開始したと発表した。

国営バス、ラオス経由ベトナム行きのバス運行へ
長距離バス事業を展開する国営のトランスポートは、タイ(ナコンパノム)〜ラオス(タケク)〜ベトナム(ハティン)を結ぶ越境サービスを近い将来を開始する計画を明らかにした。同社のノパラット社長によると、現在、ラオスとベトナムの政府関係者と交渉中

8月

リンガーハット、とんかつ浜勝を初出店
リンガーハットは、九州を中心に約100店を展開するとんかつ専門店「とんかつ浜勝」をバンコクにオープンした。日本での定番商品に加え、タイオリジナルのとんかつソースやドレッシングなどを提供する。海外店舗は米ハワイに次いで2店舗目で、アジアは初進出となった。

マツダ、新パワートレイン工場で開所式を実施
マツダは、東部チョンブリ県に建設した新パワートレイン工場の開所式を行った。同社の海外初となるトランスミッション生産拠点として、15年初頭より新型自動変速機「SKYACTIV-DRIVE」を生産。年間生産能力は40万基で、タイを始め、マレーシア、ベトナム、メキシコ、中国など、同社のグローバルな生産拠点に供給される。

バンコク商業地区でテロ、20人が死亡

arayz dec 2015 tokushu

バンコクの商業地区で大規模な爆弾テロ事件が起き、外国人を含む少なくとも20人が死亡し、日本人1人を含む100人以上が負傷した。この影響で、2015年の外国人観光客数が激減し、観光収入にも大きな影響を及ぼすと懸念される。

9月

丸紅と東芝、都市鉄道向け車両出荷開始

arayz dec 2015 tokushu
【写真提供:JICAタイ事務所】

丸紅は東芝と共同受注したバンコクの都市型鉄道「パープルライン(バンヤイからバンスーを結ぶ全長約23キロメートル)」用の車両6両を横浜港で船積みし、タイに向けて初出荷した。逐次出荷を行い、2016年1月までに全63車両の輸送を完了する見通し。

日通、タイ・ミャンマー間の陸路輸送を短縮

arayz dec 2015 tokushu

日通は、バンコク・ヤンゴン間の陸路輸送サービスの使用ルートを変更し、更に安定したリードタイムを提供する新サービスを8月より開始した。これまで日替わり片側通行で
あったミャンマーのミャワディー・コーカレイ間の山岳道路に、6月に新たにバイパスが開通したことにより、毎日の相互通行が可能となり、輸送時間が短縮された。

富士通ゼネラル、業務用空調機の開発力を倍増
富士通ゼネラルは、業務用空調機の開発力を倍増する。業務用空調機の開発拠点であるフジツウゼネラルエンジニアリングの新技術棟を建設し、開発設備を大幅に拡充・増強する。総投資額は約20億円で、2016年5月に竣工する予定。

10月

マツダ、新型「CX-3」の生産開始

arayz dec 2015 tokushu

マツダは、タイの車両生産拠点オートアライアンス(タイランド)で、新型「マツダCX-3」の生産開始を祝う式典を実施した。新型「CX-3」の生産拠点は、昨年12月に生産を開始した日本の本社工場(広島市南区)に続いて、2拠点目で、海外の生産拠点では初となる。

マツモトキヨシ、バンコクに海外1号店出店
マツモトキヨシホールディングスは、ドラッグストア「マツモトキヨシ」の海外1号店をバンコクの商業施設「セントラル・ラプラオ」にオープンした。年内に2号店を出店する予定で、100店舗体制を目指す。店舗面積は0平方メートルで、取り扱い商品は化粧品、パーソナルケア製品、薬剤・栄養補助食品など1万点以上に及ぶ。

シャープ、蚊取り空気清浄機を投入
シャープ・タイは、アジア市場向けに開発した蚊取り機能付きの空気清浄機を発表した。
初年度の販売数は6000台と見込む。今後は現地のニーズをくみ取り開発するローカル向け製品を投入していく考え。

11月

ホンダ、四輪のテストコースを東部に建設ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所のタイ現地法人であるホンダアールアンドディアジアパシフィックは、アジア大洋州地域における商品開発活動の強化を目的として新たに四輪テストコースを建設することを発表した。新コースは、プラチンブリ県にある80万平方メートルの敷地に建設され、さまざまな路面条件でテストできる走行路が設置される予定だ。

ヤマハ発動機、タイでゴルフカーの生産開始
ヤマハ発動機は、タイの二輪車・船外機の製造・販売会社「タイ・ヤマハ・モーター」で2人乗り電動ゴルフカーの「YDRE」の生産を開始した。アジア地域におけるゴルフカー事業の競争力強化を目的に、初年度の生産は4000台で、2018年には年間1万台規模の生産を目指す。

東京都中小企業振興公社、タイ事務所を開設へ
東京都内の中小企業の海外販路開拓を支援する公益財団法人東京都中小企業振興公社は、初めての海外拠点となる事務所をバンコクに開設する。12月21日から業務を開始し、タイ工業省やカシコン銀行等と連携しながら都内中小企業の海外展開を現地でサポートするとともに、タイをはじめとしたASEAN諸国でのビジネスネットワークの拡大を促進する。

この記事はPDFでダウンロードできます

ダウンロードができない場合は、お手数ですが matsuoka@mediator.co.th までご連絡ください。

※入力いただいたメールアドレス宛に、次回配信分から定期ニュースレターを自動でお送りしております(解除可能)

gototop