日本人初の女性宇宙飛行士、向井氏がバンコクで講演

日本人初の女性宇宙飛行士となった向井千秋(現東京理科大学特任副学長・宇宙航空研究開発機構特別参与)は12月11日、バンコクのサシン経営大学院で特別講演を行った。タイそしてアジアで活躍する女性に焦点を当てたシンポジウム「Women in Limitless “Space”」で、教育の重要性や外科医から宇宙飛行士になるまでの経緯、その後の活動や夢などについて語った。

タイでは、アジア工科大学(AIT)と協力して、「宇宙教育プログラム」に力を入れる方針で、向井氏は、「夢に向かってもう一歩」「教育が夢を実現する」「異なるものから学び、類似点を大切にする」といったメッセージを聴衆に送った。また、外国語の習得や多文化の理解を高めることの重要性を強調。一方で、「これまで65人の女性が宇宙飛行士になったが、うち5人が米スペースシャトル計画などで亡くなっている。何事にもリスクはつきもの」と付け加えた。

講演後は、前観光・スポーツ相で、東芝タイのアドバイザーを務めるコブカーン氏、サシン経営大学院のクリティカ准教授、在豪州の起業家のアンダーソン氏とパネルディスカッションに参加し、次世代の女性指導者の在り方や女性の地位向上などについて意見を交換。育ちも環境も異なるが、「時間だけは平等に与えられている」と、その貴重な資源を好奇心のある分野で有効に活用することを訴えた。

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