日経・サシン経営大学院フォーラム 「タイのスマートシティ/メコン地域のスマートサプライチェーン最前線」

2019.11.29

日本経済新聞社と国立チュラロンコン大学サシン経営大学院は11月29日、同大学院でフォーラム「タイのスマートシティ/メコン地域のスマートサプライチェーン最前線」を共催した。デジタル技術を活用して産業の高度化を目指すタイ政府の長期戦略「タイランド4.0」。その政策に基づき、首相府傘下の国家スマートシティ委員会が主導し、2022年までに100都市のスマート化を目指すスマートシティ開発計画「タイランド・スマートシティ」が本格的に稼働し始めている。

同開発政策の重要案件である「モビリティ」「エネルギー」「環境」を中心に、バンコク、プーケットといった「ASEAN Smart City Network」の選定都市の事例を取り上げ、有識者らがその潜在性などを探った。

主催者代表として登壇した同大学院のフェンウィック学長は、デジタル化と通信機能の発達で、「世界は想像を超える速さで進化している」と挨拶。一方、社会・経済・環境の持続的な発展を阻む要因として都市化による交通渋滞やエネルギー不足などを挙げた。

続いて、デジタル経済振興庁(DEPA)のパサコン氏、トゥルー・コーポレーションのピチット氏、日本の日ASEANスマートシティ・ネットワーク官民協議会の上林功治氏が講演した。

午後のセッションには、明治大学大学院グローバルビジネス研究科准教授/サシン日本センター所長の藤岡資正氏の講演を皮切りに開始。IoT(インターネットオブシングス)の普及によって20年までに400億の装置が接続されることになる一方、サイバー攻撃や店舗・在庫をもたずに世界の市場を席捲する中国の通信大手など、ゲームチェンジャーは予期せぬところから生まれると示唆。「デジタル変革は人々のためであって、開発のためではない」「競争より協働。タイと日本の相互協力は信頼できるデジタルインフラストラクチャーの構築に不可欠」などと、両国が緊密な関係を築き、課題や脅威に対応するよう呼びかけた。

パネルディスカッションも行われ、街づくり・環境・エネルギー・サプライチェーンのスマート化について意見交換した。タイの交通網の要所として開発中のバンス―中央駅は21年にオープンする予定で、運輸省交通政策・計画局」のエカポム氏は、「バンコク首都圏だけでなく、地方都市の交通網の整備に力を入れる」と強調した。

また、明治大学大学院で学ぶ40名が、同フォーラムに出席したあと、サシンのチャイポン副学長の講義を受けた。

gototop