ArayZコラム

若い世代中心の反政府デモ 集会会場にはCIAが登場!?

現在、バンコク各地で学生など若い世代を中心とした反政府デモが連日行われており、プラユット首相の辞任や新たな憲法の制定などを求めています。首相は退陣する構えを見せず今後の情勢が気がかりですが、一連の報道の中で脚光を浴びたのが〝屋台〟でした。

反政府デモのスタート当初、まずある屋台の女性オーナーが注目されました。ラチャプラソン交差点で大きなデモが行われた後、近くのMBK付近で営業している女性は記者から取材を受け、売上への影響などを心配されます。すると、「OK!すべて受け入れるわ。大丈夫」と力強く答え、その様子が話題となりました。

記事参照:https://www.youtube.com/watch?v=bE8elxOJEr4&feature=youtu.be&t=226

その後、反政府デモは開催直前にSNSなどで集会場所を告知するという作戦を取ります。するといち早く現地に駆け付け、営業を開始する屋台が現れるようになりました。彼らはインターネットで情報を集め、LINEグループなどで情報を共有。その情報収集力がアメリカの情報機関のようだと、〝CIA〟のあだ名まで付けられ、国内外のメディアで取り上げられました。

デモ参加者だってお腹は空けば、喉も乾きます。ルークチン(練り物を揚げた食べ物)の屋台を営む男性は「普段は1日2,000~3,000バーツの売上だが、デモ会場では7,000~8,000バーツになる」と語っています。また、鶏の唐揚げを売る男性は「売上は1万バーツ以上になる」と話し、鶏肉が足りなくなって補充しなければならなかったそうです。

記事参照:https://positioningmag.com/1302924

先日、地方を訪れた際も周囲のタイ人はスマートフォンで反政府デモの様子を熱心に追っていました。一方で、40代のタイ人はデモに共感しながらも、「今の若い人は王室への考え方が私たちとは違う」と話します。故プミポン前国王の活動などを直接目にしてこなかった世代はやはり感覚が異なるようです。

彼らが社会に出た時、どのような存在となるのか。今回のデモの行く方は長期的に見なければならなさそうです。

・タイ過去 10年 重大ニュース(2020年4月号特集より)
 https://arayz.com/old/columns/features_202004/3/

 


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