中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

第12回 コロナ禍でも出来る取り組み

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Q:コロナ禍が収束する目途も付いていない中ですが、こういった状況ではどんな取り組みをすれば良いでしょうか。

A:次の良い結果に繋げるための行動を考えることだと思います。そもそも事業が継続できるか否かという危機的状況であれば、資金繰りを含めまずは応急措置を進めるべきです。

その状況はひとまず脱したということであれば、次の一手を打つための情報収集、そして次に何をするのか考えることが大切になるのではないかと思います。

特に今は日本からの来客や大きな会合もなく、誰かに会うことが減っている状況ですから、時間をそれらに取られることがなく、じっくり腰を据えて情報収集ができる状況とも言えます。その上で、これから何をするかを考え、意義のある行動に繋げるのが大事なのではないでしょうか。

日本マクドナルドの創業者である藤田田氏の言葉に次のようなものがあります。


身を粉にするな。頭を粉にせよ。最悪の後には必ず最善がある。
いかなる苦境にも屈しない強さを身に付けていれば、自ずと道は開ける。


まさにコロナ禍にある我々にとって「考えること」の重要性を伝える言葉ではないかと思います。

このコラムでも11月号で「なぜタイ人スタッフを自社で雇用しなくてはいけないのか?」を考えることを提案しました。これはタイ人スタッフと働かなくて良いのではないか、ということを言わんとしているのではありません。

例えば何らかの問題を社内のタイ人スタッフと抱えていたとします。不満を抱えたまま当該タイ人スタッフを自社で雇用し続けるのが経営上、さらに言えばタイ人スタッフにとっても良いことなのか、さらにその不満は当該タイ人スタッフに起因する問題か、あるいは社内でタイ人スタッフを雇っているために発生する構造上の問題なのか考えることの意義を言及したものです。

そういった意味では、このコロナ禍はある意味根本に戻って自社の事業を考える良い機会になるのかもしれません。

さて、このコラムも何とか1年間続けることができました。偉そうに色々と発言してはいますが、私自身中小企業の経営者であり、毎日が精進と忍耐の日々です。コラムの執筆は、私にとっても良い勉強の機会になっています。

2020年、大変な年ではありましたが、来年が良い年になることを願ってやみません。皆様良い年末年始をお迎えください。

寄稿者プロフィール
  • 倉地 準之輔 プロフィール写真
  • 倉地 準之輔

    日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

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