中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

第16回 経営相談では、どのようなテーマの相談が多いですか?

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4月号は特集記事「新赴任者こそ知っておきたいタイ会計・税務・法務」の作成のためお休みをいただきましたが、今月からまた元気に復活です。

Q: 経営相談では、どのようなテーマの相談が多いですか?

A:私は複数の公的機関で経営相談員を務めている関係で、こういった質問をよく受けます。結論から言うと「本当に幅広いテーマの相談が寄せられます」です。もう少し詳しく言うと、次のようになります。

事業フェーズについて

①設立前、②運営中、③撤退といった全てのフェーズに関する相談を受けます。比率は①:②:③で1:8:1くらいです。

コロナ禍ということで③撤退に関する相談が増大するかと思いましたが、私に関してはこういった時期でも①設立前の会社様から設立方法に関する相談を受けるため、タイの底力を感じています。

専門分野について

私の専門分野であることから、会計・税務に関する話は多いです。ただ、会計・税務だけに留まることはあまりなく、周辺分野の話が一緒に議論されることが多いように思います。

例えば個人所得税ではビザや労働許可証、駐在員の報酬設計などの話が一緒に議論されます。また最近では、タイの市場動向やビジネスマッチング、M&Aに関する相談が来ることもあります。

その他の話題について

タイに複数ある子会社の再編といった所謂ビジネス的に大きな話から、日本から出張する役員を接待するのにおすすめのレストランはどこなのかといった日常の話まで様々あります。

ちなみに後者のケースでは、私が寸評付きのリストを作成してお渡しし、後日こちらの出張者の方が大変満足されたとの連絡があり、一安心しました。

要するに私が言いたいのは、「困ったらなんでも相談できる」ということです。

4月号の特集記事の中でも、何か困ったらすぐに専門家に相談を、と書きました。今回の記事の内容を見てもお分かりの通り、実は専門家には特定分野だけではなく、幅広いテーマで相談することができます。

タイには専門家の方が多くいらっしゃいますので、お困りごとはすぐに相談し、解決されることをお勧めします。


著者執筆特集(2021年4月号)
▶︎ 新赴任者こそ知っておきたいタイ会計・税務・法務

〜よく起こる問題やコロナ禍の制度変更などを解説〜


寄稿者プロフィール
  • 倉地 準之輔 プロフィール写真
  • 倉地 準之輔

    日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

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