Book Review

学ぶことの重要性を説く まんがでわかる 福沢諭吉『学問のすすめ』


AGGS CO., LTD.
田村 篤
長野県生まれ。24歳の時にタイ移住し、現地採用者としてスタート。フリーランスを経て、30歳で起業と結婚をした。現在は海外での子育て・教育を応援する活動を行うと同時に一児の父。一般社団法人 日本活育推進フォーラムの代表理事も務める。
http://nico2-labo.com/


齋藤 孝著/
岩元 健一まんが 
あさ出版 484B

 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」――人間はすべて平等であり、貧富、家柄、職業、社会的な地位などで差別されるべきではないという有名な一節。だが、福沢諭吉は、「人間の在りようは、常に学ぶ姿勢を忘れなかったかどうか」で大きな差が生まれると伝えたかったそうだ。

 月刊誌「ニコラボ」を通じて、タイ在住日本人家族の子育てを応援する田村篤氏。主催した親子で学ぶイベント講師の説いたこの言葉がきっかけで、同書を手に取った。「挑戦する心構えや常に学ぶ姿勢を持った人と、このまま現状維持ができれば幸せな人では、あとになって差がつくことを実感します」。100年以上前に世に出た自己啓発書だが、価値観が変化し、技術が進化した現代に通じるものがある。

 経営者・父親として社員や家族を養うため、培った知見や経験をどのように活用するかを自問していた田村氏、「熟読すると、子育てやビジネスを営む上での実用的なヒントがありました」。読者やイベント参加者だけでなく、協力してくれる周りの人、社員や家族に喜んでもらい、社会に貢献する仕組み作りの大切さを身にしみて感じたという。

あえて漫画を選んだのは「活字で読むより時短になる」から。また、子どもでも容易に読めることから「変化し続ける世界を楽しく生き抜くために、いずれ娘にも勧めたいです」。

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