現地からレポート!CLMV最新トピック

【第14回】ラオス、カンボジア編

タイの周辺、メコン4ヵ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)現地で流行しているモノやコト、最近増えている、または注目の投資業種や案件、新制度の決定や施行とその実情などの政治経済トピックを、現地在住の専門家よりお届けするコラム。
第14回はラオスとカンボジアからのレポートです。

ビエンチャンの公共交通機関、最新事情

朝夕の通勤ラッシュは首都ビエンチャンでも日常的な光景です。路線バスはありますが、バス停はあってないようなもの。ラオス人はタクシー感覚で、好き勝手にバスを止めて乗降しています。これでは交通渋滞の原因になってしまうため、JICA(国際協力機構)指導のもと、路線図と時刻表がある新しいバス停の設置が始まりました。新たに京都市から寄贈された34台の中古バスも、この路線バスとして現役で活躍しています。

ちなみに、ラオスでは2012年にトラック、バス、建機以外の中古自動車の輸入が禁止されました。トラック、バスなどの中古車を輸入する場合でも、走行距離や年式、車の状態に規制があります。またラオスは右側通行であるため、右ハンドル車は左ハンドルへの付け替えも必要になります。

今年は「ラオス観光年」(ラオスでは2018年を“Visit Laos Year”に指定しています)。観光客の利用を見込んで、ワッタイ国際空港と中心市街地を結ぶ新しい路線もできました。今後、さらなる公共交通機関の拡充が期待されます。

京都市から寄贈されたバス。以前はいなかった女性乗務員も登場した。
(しかしなぜか、ハンドルは右のまま…)

 


One Asia Lawyers ラオス事務所
内野里美
1979年生まれ、東京外国語大学ラオス語学科卒業。
2005年よりラオスにて日本のNGO、日本大使館勤務を経て2016年3月よりJBLメコンラオス事務所に常駐、現在に至る。
info@oneasia.legal
http://oneasia.legal/info

カンボジアでアメリカドルが使える理由とは!?

海外視察や旅行時に必ず必要になるのが、渡航先国の通貨への両替ですね。カンボジアには自国通貨である、カンボジア リエル(KHR)がありますが、実は一般的に流通しているのはアメリカドル(USD)です。

カンボジアは激しい内戦の後、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の下で国際的な支援を受けて国の再建を果たした訳ですが、その時に援助資金として大量のドルが世界各国から流入しました。この結果、ドルが経済・金融活動に幅広く利用されることになり、カンボジア国内でのドル流通が標準化しました。法定通貨として認められている訳ではありませんが、なんと使用通貨の90%以上がドルという現状です。

国内経済の安定的な成長によって、ドル建ての金融資産が増えていることや、海外援助(ODA)などによるドル資金の継続的な流入もあり、今後もドル化が安定的に継続していくと思われます。ASEANでこれだけ安定的にドルが流通している国はほかにありません。カンボジアの銀行は高金利なので、ドル建ての資産運用なども検討されてみてはいかがでしょうか?


MATES GLOBAL COMMUNICATIONS CO., LTD.
代表取締役 柳内 学
1975年生まれ、城西大学経済学部卒業。2007年、カンボジアにNGOの職員として赴任し、日本語学校の設立運営に従事。2009年、教え子と共に同社を設立。
現在はカンボジア人向け情報誌の発行事業を主に他事業を分社化、経営を多角化している。カンボジア在住10年。
yanai@mateskh.com
https://chugapon.com
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